現代の思考回路の連続性

□小さなヒーロー 2
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07時45分。町内会長の家の前は、子どもたちの声であふれていた。

「おはよう!!」
元気に挨拶をしたのは、紅い髪に黄色の帽子をかぶっている悟浄である。

「おはようございます。」
丁寧な挨拶は、八戒だ。黄色の帽子が何故か少し似合わない。

「ふん。」
挨拶も何も無しに、鼻を鳴らすだけで終わったのは、三蔵だ。
小学生らしからぬ、ふてぶてしさをかもし出している。

「さんぞう、ちゃんとあいさつしないと、おこられますよ?」
「そうだぞ、さんぞー。でなきゃ、こんぜんさんにちくるぞ?」
意味深な笑顔を浮かべる八戒と、いたずらっ子な表情をする悟浄に責め立てられ、少々カチンときた三蔵だった。

不服ながらも、家に帰った時を想像して怒られる危険性を避けるため、小さな声で、「おはようございます。」と挨拶をした。

「じゃあ、皆集まったな!さあ、学校へ向けて出発!」
と、6年生が声掛すると、皆で行ってきまーす。と見送りに来ていた親たちに宣言した。
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