有象無象の本棚

□場所交代
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あと、3時間程したら街まで着く場所にいた三蔵一行。
その日のお昼を道端で済ませ、宿と飯を確保しようと、ジープに乗り込もうとした時だった。

下僕3人は、訳のわからない状況に追い込まれていた。

「悟空、席を変われ!」
三蔵がそう指示をした。


普段にない指示だったので、全員が固まった。
いつも通りなら、助手席を陣取って煙草をふかして唯我独尊を決めていたからである。

「え、三蔵。どうしたんですか?」
立ち直りの早かった八戒が聞いた。

「あ?どうもこうもねぇよ。悟空変われ。」
「三蔵、いつも前じゃん!何で今変わるの?」
「うるさい!黙って交代しろ!」
「俺も聞きてぇな。何でなん?」

下僕から質問攻めにあう三蔵。
三蔵にはしてみたかったことがあるからだ。
たが、それは恥ずかしくて言えた代物ではない。

原因は悟浄にあった。

恋人同士にはなったが、それ以上の進展が無いのである。
要は欲求不満なのだ。
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