同じ世界を。
□祓い屋と少女
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カサカサカサ
『………?』
紙が擦れるような妙な音で、目が覚めた。
隣を見ると泡雪も何かに反応しているようだった。
シンと静まり返った廊下に出ると、
大きな人形の紙が
……迫ってきていた。
ただ不思議と嫌な気はしなくて、
それを泡雪もわかっているみたいで…
私は大人しくその紙人形に包まれることにした。
傍らに泡雪を抱えて。
.
.
『…やっぱり、貴方ですか』
紙人形に連れてこられた先には
ーーーー俳優の名取周一が。
「おや、もしかして気づいていたのかい?」
『ええ、まあ。雰囲気でなんとなく』
昼間、夏目くんとニャンコ先生の散歩をしている時に偶然出会った名取さん。
彼の首筋にあったトカゲの痣を見て、なんとなく彼も視えているんじゃないかと思っていた。
「そうかい、君は本当に勘鋭いようだね」
『……それで、名取さん。
私に何か用があるのでは?』
そう問えば彼は、
にやりと不敵に微笑んで言った。
「もう時期に 彼 も来るはずだ。
その時に、話すよ」
そう言った瞬間、
ガサガサっ
と木々が擦れる音がした。