同じ世界を。
□学校
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「ーーで、こいつが田沼」
そう言って紹介してくれたのは、夏目くんが【視える人】だと知っているという
隣のクラスの田沼要くん。
なんだかとっても、優しそうな人だな。
「よろしく、##NAME##」
『よろしく、田沼くん』
差し出された手を握り返す。
ふと、疑問に思ったことを聞いてみる。
『田沼くんも、視えるの??』
「いや…俺は、影を見たり気配を感じたりするくらいなんだ」
『そうなんだ』
視える以外に、そんなこともあるんだ。
その差があれど、新しくできた【仲間】に
なんだかすごく嬉しくなった。
「なにかあったら、なんでも相談してな。
俺なんかじゃ役に立てないかもしれないけど」
『ううんっ、そんなことないよ!!ありがとう!!』
あぁ本当に、田沼くんは良い人だ!!
『夏目くんもね』
そういうと夏目くんは
えっ
と驚いた声を漏らした。
『なにかあったら、遠慮せずに私たちを頼ってほしいな』
「そうだぞ夏目。1人で抱え込んだりするのはナシ、な」
私の言葉に田沼くんも同調した。
「ありがとう」
夏目くんはにっこりと微笑んだ。