短編小説

□無自覚ドS系ボーイッシュ女子×無自覚ドM美形秀才系男子 後日談
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俺と舞央さんが付き合うようになって3カ月がたった。




3カ月になると互いに慣れはじめて関係が危うくなる、とは世間一般論で聞いたことがあるが、実は俺も悩んでいる。





それは…
















「舞央、おはよ」


「昌樹!おはよ」






…そう。



浅川昌樹。




友達繋がりで意気投合したらしく、正直彼氏である俺よりもあいつと一緒にいる時間の方が多いように思われる。




確かにバスケ部同志で共通の話題や趣味や好みの共通点も多いようだ。





そしてなにより、









「あははは!冗談だよね?それ」



「だろ⁉そう思うけどよ〜」







…あの舞央さんが。





あまり異性と話さない舞央さんが。



彼氏である俺でさえも彼女が声を出して笑っているところはほとんど見たことがない。









「あ、佐藤くん!」




廊下で浅川と話していた舞央さんが教室にいた俺に話しかけてきた。






「…何?」






「ごめん!今日一緒に帰れないかもしれない…」





「え、なんで…?」




今日は部活が互いに休みだからせっかく一緒に帰れると思っていたのだが




「昌樹に妹の誕生日プレゼント一緒に探して欲しいって言われて…」





…『昌樹』…






「…あ、そうか。分かった」




「本当にごめんね!」

















放課後になり、一人で帰っている俺はただ考えていた。






浅川のことは『昌樹』と呼び捨てだが、俺のことはいまだに『佐藤くん』だ。








頭の中に嫌な想像が浮かぶ。










もしかしたら、舞央さんは無理して俺と付き合ってくれているのではないか。



本当は浅川が好きなのではないか。







心臓が痛み、顔をしかめた。





うっすら視界が滲む。








よく考えたらあり得ない話ではないのだ。






そもそも俺たちの関係の始まりは体だ。






普通、男から「抱いてくれ」なんて言われたらドン引きだろう。






けど舞央さんは引き受けてくれてくれ、その後も関係を続けてくれた。






気づいたら俺は舞央さんを好きになっていて行為中に口を滑らせ、告白してしまったが舞央さんはそれも受け止めてくれた。















けど、俺は舞央さんから「好き」という言葉を一度も聞いたことがないのだ。








「女々しすぎだな…」
















…もう別れた方がいいのかもしれない、そう思ってしまった。
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