短編小説
□無自覚ドS系ボーイッシュ女子×無自覚ドM美形秀才系男子 後日談
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「…佐藤くん、今何て言った?」
放課後。
佐藤くんと二人で帰っている途中。
昌樹とプレゼントを買いに行って一週間がたったその日。
「…別れよう。」
聞き間違いではないらしい。
「…突然、何で?」
何が気に触ったのか。
理由も聞かず返事する訳にはいかない。
「…………舞央さんは、俺と無理して付き合ってくれている…と思ったから。」
「…………………は………?」
それから佐藤くんは話した。
私は優しいから無理して佐藤くんの告白を受けたり、そういう行為をしているのではということ。
私が本当は昌樹を好きなのではないかということ。
…なんだそれ。
私は信頼されてなかったってことか。
…私が悪いのか。
「……っ⁉舞央さん⁉」
私は強引に佐藤くんの手を引っ張った。
吹奏楽部だからか、私がバスケ部だからか。
男女の立場がどこか逆転している私たちだからか。
佐藤くんはされるがまま引っ張られている。
「……いいから黙ってついてきて。」