J×Y (Short)


□『もちもち』について
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「NCTのえくぼ。ジェヒョンでーす!」

だって十分インパクトあった。
それなのに。







「え?日本語の自己紹介を変えたい?」

ジェヒョンが突然日本語での自己紹介を変えたいと言ってきた。
まぁもとはと言えば俺の与えた情報のせいなんだが。

「はい。ユタ兄が教えてくれたじゃないですか。
僕、白くておもちとか日本のペンにも呼ばれてるんですよね?」

風呂上りのほこほことしたジェヒョンは確かに白い頬っぺたがピンク色になっておもちみたいで可愛いともいえる。

「あー。まぁ確かに教えたけど。」

でもジェヒョンは愛嬌とかは苦手なはずなのにそんな可愛い表現本当にしたいんだろうか?

「それで。
おもちって韓国のと日本のとは少し違うって聞いたので。
日本風におもちを表現したいんですけど。」

どうやら本気らしい。
テヨンやウィンウィンほど熱心に日本語を教え込んでいるわけではないがジェヒョンも忙しいなりに日本語を頑張っていると思う。
ありがたいことだ。

「うーん。
まぁ確かに日本だとおもちってもうちょっとやわらかい表現なんだよな。」

本当にやる気があるならウケるような自己紹介を考えてみてもいいかなとも思う。

「僕白いからおもちなんですよね?」

韓国でも肌がきれいだの美男子だの言われてるから綺麗な表現には慣れた…というか麻痺しているようではある。

「うん。まぁ白いからとジェヒョンの肌がきれいだからもちもちでおもちって意味なんだろうけど。」

なんとなくおもちの表現をしてみるとジェヒョンが食いつく。

「…もちもち?」

「うんと。もちもちってよく使われるんだけど。
おもちって食べるだけの表現じゃなくてな。
弾力があってすべすべっていうのかな。
肌が綺麗とかでもいい表現として使うんだよ。
それに響きが女の子からすると可愛く聞こえるみたいだな。」

もちもちというおもちの表現について説明してやる。

「へー。もちもち…もちもち?」

ジェヒョンが聞きなれない日本の表現をぶつぶつと繰り返す。
響きは気になるようだがどんな感触かわからないんだろう。

「ほら、お前のほっぺだよ。
もちもち〜ってなw」

そこでジェヒョンの頬っぺたを俺が両手で包んで軽くマッサージをするように撫でてやる。
するとジェヒョンがくすぐったそうに笑った。

「わー。ユタ兄なにするんですかぁ。」

最もジェヒョンはあまりくすぐったいとかは感じないようなのだが。
だからといってスキンシップが嫌いというわけでもなく割と抵抗なく受け入れる。

軽く頬っぺたをそのままさすり続けるが俺の両手毎包んできゃっきゃっと笑う。
こういうところは弟らしくて可愛い。

「そうだな。
気に入ったならそのまま使うか?
もちもちジェヒョンって案外ウケるかもなw」

「もちもち!もちもちジェヒョン!!
ユタ兄それって可愛いですか?」

ほっぺを俺に潰されたままだが気を悪くする様子もなくジェヒョンが聞いてくる。

「うん。可愛い。お前に似合ってるかも。」

後押しするとジェヒョンが嬉しそうににっこりと笑う。

「じゃあ僕それにします!」

「よし、決まり!」

そう言って軽くジェヒョンの両頬をぺちっと撫でて手を離す。

「でもユタ兄どうしても気になるんですけど。
僕やっぱりもちもちってどんな感触なのか知りたいです。」

ジェヒョンは一度気になったり決めると結構しつこい。

「え?だからお前のほっぺみたいな…ってオイ!!!」

どうして教えようか考えていると突然ジェヒョンが俺の尻を触った。

「もちもち。弾力があってすべすべなんですよね。」

そして同じく風呂上がりの俺の尻をもみ始める。
驚いて動揺している俺を嬉しそうに見下ろしながら尻をもみ続ける。

「こら。あほ。やめろってw」

「もちもちってもしかしてこれですよね?
ユタ兄のお尻がもちもちの表現とピッタリな気がします。」

ジェヒョンはえくぼくっきりの満面の笑みだ。
だが、やってることはただのエロいおっさんだ…。

「もちもち〜ユタ兄のお尻もちもちって言うんですよね。」

逃げようとする俺を面白がっているのか一向にやめる気配がない。

「ジェヒョンあほ。やめろってw」

体をひねって逃げようとしたのにいつの間にかジェヒョンは両腕に閉じ込めるように俺の体を正面から囲い両方のお尻をもんでいた…。

この悪ふざけをやめさせようと腕を掴もうとしたが元々ジェヒョンのほうが体つきもしっかりしているし、力も悔しいことに俺の方が弱い。

「これがもちもち。もちもち〜♪」

ジェヒョンは尚もふざけてもんでいるが結構シャレにならないくらい揉みしだかれている気がする。
痛くはないが本当に酔っぱらったオッサンのように手つきが怪しい…。

「いい加減にしろって。ほらジェヒョン。」

俺はなんだかジェヒョンのネジが外れてきているような気がしてジェヒョン肩をドンと叩く。
でもこの体制だとただのいちゃついてるバカップルみたいだ…。

こんなことろメンバーに見られたら気まずすぎる。

「ユタ兄。」

俺をからかうのに飽きたのかようやくジェヒョンが俺の言葉を聞いてくれる気になったらしい。

「は?なんだ。辞める気になったのか?」

聞いてみるが、揉むのをやめただけで未だにジェヒョンの大きい両手は俺の尻に重ねられたままだ。
ジェヒョンの大きい手で俺の尻がすっぽりと包まれている。
くそ。確かに俺の尻はプリッとしてて可愛いかもしれないがなんか悔しい…。

「あの。もう一回僕にもちもちってしてください。」

ふざけた発言にジェヒョンの顔をまともに見るがジェヒョンは下唇を軽くかんで真面目に俺を見ている。

「え…?」

本気で言ってるのかw?

「僕のほっぺもちもちってしてください。」

なんだ…?ジェヒョンは急に甘えん坊モードになったのか。
ルーキーズ時代はジェヒョンもこうやって俺に甘えてきたが最近はあまり甘えなくなってきた。

その分、ドンヒョクやマークを可愛がるのだが。
やっぱり甘えたくなることもあるんだろうか。
こんなにしっかりして見えるジェヒョンでも。

「ふ。甘えん坊め。
兄がしてやるから尻から手を放せ。」

そういう時は兄らしく振舞うものだ。
たまにはジェヒョンを甘やかさないとな。
体は大きくなって力は強くても可愛い弟だしな。

「…えー。」

ジェヒョンが口をとがらせる。
甘えん坊っていうかただの駄々っ子っぽいw
ようはスキンシップがしたかったんだな。
ジェヒョンはきっと。

「えーじゃねえよwww
俺の尻がもちもちだったとしても自己紹介では使えないからな?」

「ユタ兄のお尻も僕のほっぺももちもちとかダメですかね?」

ジェヒョンがニヤニヤしながら答える。

「あふぉかwww
ほら。このっ。もちもちジェヒョン!!!」

さっきより少し強めに顔をマッサージしてやる。


「うわぁ。ユタ兄、さっきみたいに優しくしてください。
僕あれが幸せです。」

顔を少ししかめるがジェヒョンは俺の手から逃げようとはしない。

「人の尻を撫でまわして何が幸せだw
金とるぞ。まったくエロガキめw」

「えー。お金払ったら触っていいんですか?」

ジェヒョンは冗談が好きだ。
全く凝りてない。

「あふぉか!」

今度こそジェヒョンの頬っぺたをつねってみる。
それなのに。

「えへへ。
だって僕ユタ兄大好きなんです。
ユタ兄のお尻もちもちで大好きです。」

ジェヒョンはへらへらしていて全く反省していなかった。






というわけで。
恥ずかしがりやで愛嬌が苦手なジェヒョンにしては可愛い自己紹介が出来上がった。

「僕は、もちもちっジェヒョンです!!」

予想通り日本女子にウケた。
俺のプロデュースは間違いなかった。


ただ。


「ユタ兄。もちもち忘れそうです♡
もちもち思い出しに来ました。
触らせてください〜。」

毎回挨拶の前にこっそりと俺の尻を触りにくるようになった。

「バカ。金とるぞ!」

笑いつつ手を振り払って脅すのだが。

「出世払いでお願いします。
えへ。
もちもちのユタ兄のお尻♡」

懲りないジェヒョンに嫌がっても最後は触られる羽目になり…。


結果。
ジェヒョンのもちもちの自己紹介を禁止にした…。



だけど。

「ユタ兄のお尻可愛いです♡」

禁止にしても触りに来るジェヒョンの将来が俺は最近心配になっている…。



終わり

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