XS

□DOLCE
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俺の一番嫌いな季節。
というかイベントなのだろうか。

2月14日のバレンタインデーだ。





なにやら日本人は女から男にチョコレートを渡して気持ちを伝える日だというではないか。
甘ったるい街の中のあのムードが嫌いだ。俺は可愛くもなければ、愛想もよくない。そして女ではない。




そんな正反対の俺があの無関係なイベントに巻き込まれたのは言うまでもなくボス…XANXUSのせいだ。








チョコを寄越せといわれ、ルッスに聞きながら手作りチョコを作って渡したなんて、恥ずかしさの極みだ…!!
ましてやそれをアイツに渡すなど…。





丁度一ヶ月前のあの日、XANXUSの部屋に行きしぶしぶチョコを渡した。









その時に言われた言葉が忘れられず、頭に焼き付いているから、今日はいてもたってもいられないのだ。

こんなことになるなら渡すんじゃなかったとまた後悔するハメになった。







「くっそ…あれは嘘だったのかぁ…?」




ベットの上に腰掛けふと窓の月明かりを見ながらぼんやりと呟く。
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