覚悟とその先(D.Gray-man)
□出会い
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それから近くの空き家に入り、アレンの目覚めを待つこと数時間。
ようやくアレンが目を覚ました。
「あっ!良かった、目が覚めた」
「・・・ここは?」
「昔の民家みたい。アレン、急に倒れるからビックリしたよ」
「すみません・・・人生最悪の師の名前を聞いたものですから・・・」
そう言い体を起こすアレン。
「そうなんだ」
ヒロエはアレンに近寄り、食べ物を渡す。
「これは?」
「お腹、空いてると思って」
その言葉に目を輝かせるアレン。
「いただきます!」
そう言うと食事をしていく。
その横でヒロエは水を飲みながら、外を見る。
「外のアレ、たぶん・・・この町の元住民だね」
「はんへほうおもうんへふは(なんでそう思うんですか)?」
「普通の町って、暗くても人の気配はするんだけど・・・この町、ゼロに近いの。夕方からこの町で会うのはあの奇怪な者ばかり」
そう言ってまた少し水を口に含み、フタを閉める。
アレンは手を止め「奇怪な者ではなく、アクマです」と告げた。
「そういえば・・・『哀れなアクマに魂の救済を』って呟いてたね」
そう言って、壁に頭を付いたとき違和感を覚え、アレンと一緒に窓のそばを離れた。
それと同時にブレスレットは武器化したが、アレンが前に立つ。
「アレン!・・・その左腕・・・」
「僕のイノセンスですよ」
「いの・・・せんす・・・」
アレンの言葉に何かが浮かんだ。
『可哀想な子・・・この村から出て行って!』
その言葉が浮かんだとき、影が視界に入った。
「ヒロエ!」
「っ!」
その声に反応したと同時に、鎌を振り下ろしたヒロエは涙を流していた。
アレンはヒロエに駆け寄る。
「大丈夫ですか?どこかケガでも?」
その言葉に首を振る。
「・・・少しだけ・・・思い出した。この町・・・私の町で・・・私がっ」
「落ち着いてください。もう大丈夫ですから」
アレンはそう言い、ヒロエを優しく抱きしめた。
それから朝になりようやく、町を出発したアレンとヒロエ。
ヒロエは丘で街を見つめていた。
「ヒロエ?行きますよー」
その声に反応すると、少し離れた場所に立つアレンの姿。
「もう少し待って!」
そう言い、再び町の方を見る。
「・・・バイバイ」
ヒロエはそう呟き、アレンの方へと駆け寄った。
その道中、ヒロエはアレンから、イノセンスとアクマについて聞いた。
そして、自分達がこれから向かうべき場所も。