覚悟とその先(D.Gray-man)

□帰還の途中で?
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汽車から降り、街を見ることにしたアレン達。

その瞬間、叫び声が聞こえた。

その声は「アクマが出た」というものだった。

アレンは声のした方へと走り出し、そのあとをトマとヒロエが追う。

「大丈夫ですか!?アクマは・・・ど、こ・・・?」

アレンの言葉に街の人と思われる声が聞える。

「アクマなんているわけねぇだろ」

ヒロエは物陰に身を隠し、相手からは見えないように顔を出すが、トマはアレンのそばへ駆け寄った。

「ほれ見ろ、ジャン!お前が殺されるなんて言うから・・・」

大人がそう少年に言うとアレン達を振り返った。

「悪ぃな。こいつのイタズラなんだ。いつもアクマだのなんだのって騒いでんだよ・・・」

その言葉に少年が口を開く。

「遊びじゃねぇつーの、バカッ!マジでアクマはいるんだってば!この世界を、ジワジワ侵略し始めてんだぞ?」

その声にハッと息を呑むヒロエ。

そしてブレスレットが武器化し、その武器を後ろに隠し、前に出る。

少年は背後の大人を指差す。

「ホントだって!今そこで、このおっちゃんが、ハット帽のごっついやつに殺されたんだよ!」

そう叫ぶと男がその子の口を塞ぎ、口を開いた。

「すまねぇ・・・なんでもねぇんだ。せがまれて遊びに付き合ってたらこの子、調子に乗っちまって・・・」

へへへと笑う男の言葉に「やっぱりか・・・」や、「今度騒いでも、もう相手にしねぇからな」と言いその場を離れていく大人達。

少年が何かを訴えるように騒ぐ。

「さぁ、行きましょう」

「ええ」

その声にヒロエも武器化を解き、その場を離れようとした。

が、空気が変わり、振り返るとアレンのイノセンスが発動した瞬間だった。

「・・・僕の目は誤魔化せないよ。キミはアクマだ」

その瞬間、アクマは破壊され、姿を消す。

「・・・ジャンくん、だっけ?キミ・・・アクマのことやたらと詳しそうだけどなにも・・・」

アレンの言葉はジャンの抱きつきにより遮られ、アレンはその衝撃で後ろに倒れた。

「アレン!」

その場に駆け寄るヒロエ。

ジャンは興奮気味に口走る。

「エクソシストだ!はじめて見た!今の、対アクマ武器ってヤツ!?もっとよく見せて!ねぇ!」

ジャンの質問に答えないアレン。

ヒロエはアレンの顔を見て、苦笑いの顔を浮かべる。
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