一緒にいたい存在(HUNTER×HUNTER)

□夢×試験×出会い
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それからどれくらい経ったのか。

ベルが鳴り響き、試験が開始された。

一次試験は試験管であるサトツに着いて行くという、シンプルなもだった。

しかしそれは予想をはるかに上回っていた。

キルアを見ると、試験開始からスケボーに乗っている。

「うわっ」

キルアに視線がいった瞬間に脱落者が目の前にいた。

ヒロエはその人物を飛び越える。

「大丈夫かよ」

「今のところ・・・」

そう言いながら、周りを見る。

「オレ、前に行くよ?」

「あ、オレも行く」

ヒロエはそう言って少しスピードを上げた。

「お前、まだ本気じゃなかったの?」

「一応」

「ふ〜ん」

キルアはヒロエのことをチラッと見ると、ある人物をかわして前に出た。

自分も前に出ようとしたとき、「汚ぇぞ、ガキ!」と声が響いた。

キルアは振り向きその人物に「なんで」という。

「なんでって、これは持久力を測るための試験だろ!インチキしてんじゃねぇ!」

「レオリオ、それは違うよ。試験管はついて来いって言っただけだもん」

「どっちの味方だよ」

「レオリオ、うるさいぞ。テストは原則、持ち込み自由なのだよ」

ヒロエはさっきの会話でレオリオが誰かわかったが、後の二人がわからずにいた。

キルアがそんななか、一人の少年に聞く。

「・・・ねぇ、君いくつ?」

「12歳!」

「ふーん・・・」

キルアの表情をヒロエは見逃さなかった。

「やっぱオレも走ろっ」

キルアはそう言って、スケボーを脇に抱える。

途端にゴンが「おお、カッコイー!」と声を上げた。

「オレ、キルア」

「オレはゴン!」

ゴンとキルアを見てヒロエは思った。

年は同じ、性格は真逆だと。

だからなお魅かれ合うものがあると。

『ヒロエ、つらくなったら、私とお母さんを思い出しなさい。私達は君のそばにいるよ』

(わかってるよ・・・父さん)

そう母からもらったペンダントを握り締めた。

「ねぇ、君は?」

「・・・え?」

「名前」

ゴンの言葉に続いてキルアが言った。

「あ・・・ヒロエ。ヒロエ=ルシウェル。10歳です」

「10歳?!」

キルア以外が叫んだ。

「もう一つ、ビックリすことあるぜ」

キルアはそう言って、いたずらっ子のような笑みを浮かべる。

それに反応したのはゴン。

「ビックリすること・・・?」

「女なんだよ、そいつ」

「女?!」

「キルア、なんで言うの?!」

「隠す理由ねーじゃん」

キルアの言葉にヒロエはふいっと顔をそらす。

レオリオとゴンの二人は信じられないのか、互いに顔を見合わせ、キルアとヒロエを見テ叫ぶ。

「うるさい」

「全くだ」

金髪の青年がそう呟いた。

「・・・あの、名前ってもう・・・」

金髪の青年はヒロエを見ると、聞いていなかったのかと聞いた。

だが、答えずにいるとため息をつき、もう一度言おうと言ってくれた。

「私はクラピカ」

「クラピカさん・・・」

「さんは必要ない。クラピカ、それで十分だ」

「わかりました・・・」

ヒロエはそう言って、少し後ろに下がった。

それをキルアは横目に確認した。

限界。

そう思ったとき、またヒロエのスピードはあがった。

そしてそのままレオリオを抜いたのだ。

「ナニィ?!」

抜かれたレオリオは当然、ゴンとクラピカも驚いた。

「・・・へぇ。まだ上がるんだ」

今並んでるのは、キルア、ゴン、ヒロエの三人。

この三人に続くようにクラピカとレオリオがいる。
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