一緒にいたい存在(HUNTER×HUNTER)
□三次試験×待ち受ける試練
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その上に降りると、周りを見た。
そこは360度、なにもない。
「私達以外の人もいないか・・・」
そう呟いたとき、マーメンが咳払いをした。
「・・・えー、みなさま。三次試験のスタート地点はここ、トリックタワーと呼ばれる塔のテッペンとなります」
「トリックタワー?」
「合格の条件は、この塔を生きて下まで降りてくること。制限時間は72時間です。それでは、これより三次試験を始めます。みなさまの検討を、お祈りします」
それから受験生を残し、飛行船は飛び立った。
『みなさーん、頑張ってくださいねー!』
その声を残し、飛行船は見えなくなる。
ヒロエはゴン達を見た。
ゴン達は塔の端っこに立ち、下を覗いてる。
「まさか・・・ここを降りろってのか?」
「自殺行為に等しいな」
クラピカがそう言ったとき、後ろから声が聞こえた。
「ふん。普通の人間ならな」
その男は塔の窪みを利用し、下へ降りていく。
「すっげー」
「どんどん降りてく・・・」
キルアとゴンの言葉に、ヒロエは顔を上げ、遠くを見つめた。
「ねぇ・・・関心もしてられないかもよ?」
その言葉に姿を現したのは巨大な生物。
男はその生物に連れ去られた。
「か、壁を使って降りるのは・・・ムリみてーだな」
「・・・ああ」
それから新たな方法を考えるために、塔の中央に戻った。
そこで目についたのは、少なくなった人数と下を見る人々。
クラピカも気づいたのか、周りを見ている。
「どうした?クラピカ」
レオリオがそう聞くば「人数が減っている」とクラピカが答えた。
「なに?!」
「全部で23人・・・半数近くがすでにここから脱出したことになる」
「ウソだろ、いつのまに・・・」
「この屋上のどこかに、下に通じる隠し扉があることは間違いないのだが・・・」
クラピカが言い終わったとき、ゴンがクラピカを呼んだ。
そっちへ行こうとしたときだった。
ガコンッ
「え」
ヒロエは下へと落ちてしまった。
それを目撃したのは、キルアのみ。