覚悟とその先(D.Gray-man)
□出会い
1ページ/2ページ
ある場所を目指しながら、鎌を振りかざす少女。
「こんなとこ・・・かな?」
彼女はそう言い、周りを見回し闇の中を駆けていく。
「そっちは危険ですよ」
その声に立ち止まり振り返るが、誰もいない。
前を向き、再び走ろうとしたところに奇怪な者がいた。
「わっ!」
飛び退くと同時にシルエットが前に降り、その奇怪な者を破壊した。
その人物は「哀れなアクマに、魂の救済を」と呟き、こちらを向く。
「こんな時間に、外にいたら危ないですから、早く家に帰った方がいいですよ?」
「なっ!そう言うあなただって・・・って後ろ!」
相手が振り向く前に、鎌で奇怪な者を破壊する。
「え・・・」
それに驚いたのか、その人物は呆然と立ち尽くす。
鎌が姿を消したところで、相手を見ると輝いた目をしている。
「な・・・なに?その目」
「あなたもエクソシストだったんですね」
「えくそ???」
「エクソシストとは、対アクマ武器を扱う人のことを言うんです!」
その言葉に彼女はますます眉をひそめる。
「・・・ごめんなさい。私、どこを目指してるのか・・・その、わからないんです。さっきの武器だって、いつからあったのか・・・」
「もしかして・・・記憶がないんですか?」
相手の言葉に少女は頷く。
「じゃあ、一緒に行きましょう。僕はアレンと言います」
「・・・ヒロエ。ってまた後ろ狙われてる」
ヒロエはそう言い、鎌を構える。
「それ以前に囲まれてしまったようです」
アレンの言葉に自分の背後を見た。
「しつこいなぁ・・・アレン、伏せて」
「え、ちょっ」
「行くよ!」
ヒロエはそう叫び、鎌を大きく回し次々と奇怪な者を真っ二つにし、一周したところで矛先を下に向けた。
「浄化!」
そう叫ぶと同時に周りの奇怪な者たちは一斉に爆発する。
アレンは伏せていた頭を上げ、周りを見渡す。
「・・・ここ、目をつけれてる。急いで出発した方がよさそうだけど・・・アレン、大丈夫?」
「は、はい。それにしてもすごいですね」
アレンはそう言いスッと立ち上がる。
ヒロエはそのアレンを見ると、歩きながら答えた。
「私、小さい頃の記憶ないんだけどさ・・・少し前に言われたんだよね。『エクソシストになれ』って」
その言葉にアレンは「え・・・」と小さく漏らし、立ち止まる。
それを聞き、立ち止まり振り返るヒロエ。
アレンの顔は青ざめている。
「アレン?」
「・・・その人の名前、覚えてますか?」
アレンの言葉に首を傾げるも「確か、クロスって言ってた」と、答えるとますます青ざめるアレン。
心配になり大丈夫か聞こうとしたところに、倒れられた。