覚悟とその先(D.Gray-man)

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しばらくして目を覚ますと、体を起こした。

「たっ!」

途端に左側頭部に痛みが走る。

「急に起きちゃダメよ」

その声に手を離し、顔を上げる。

そこにいたのは、黒く長い髪をツインにした女の人。

「アレン君があなたを背負って、ここまで運んだの。覚えてる?」

その言葉に顔色を変え、ベッドから降りる。

「ちょ、ちょっと!どうしたのよ!」

女の人は慌てて止めに入る。

「・・・アレンは?」

ヒロエの言葉に笑みを浮かべ、気を失っている間の事を説明する女性。

「・・・そんなことが?」

「でも、アレン君ったら。兄さんや私が駆けつけるまで、あなたを離さなかったのよ?」

「神田って人に、刀向けられていたのに?」

女性の言葉にそう返すと、扉がノックされた。

「きっと兄さんね。アレン君のが終わったら、次はあなただって言ってたから」

女性の言葉に首を傾げるも、扉は開けられ、アレンと白い服を着た男の人が入ってきた。

アレンはヒロエを見てニッコリと笑みを浮かべる。

「目が覚めたんですね」

「あ・・・うん。少し前に」

ヒロエがそう言うと、アレンは近づきティムキャンピーを前に出す。

するとティムキャンピーは宙に浮かび、ヒロエの前に静止した。

手を出すと、その上に乗る。

「ティムのやったこと・・・許してくれるんですか?」

アレンがそう言い、ヒロエは三人を見る。

「私、この子になんかされたの?」

「あ、そこの説明忘れてた!」

ヒロエの質問に女性がそう声を上げ、男性が「リナリー!」と叫ぶ。

それを見てオロオロするアレン。

ヒロエはティムキャンピーを見て、クスッと微笑み口を開いた。

「私なら大丈夫です。アレンに会う前の記憶はもともとないので、記憶がない生活は慣れてます。それより、あの・・・」

ヒロエは女性と男性を見る。

男性は言いたいことがわかったのか、「ああ」と言い一歩前に出た。

「僕はコムイ。彼女は僕の妹でリナリー。よろしく」

「ヒロエです」

ヒロエがそう言う中、コムイの視線はブレスレットに向けられていた。

「突然で申し訳ないが・・・君のイノセンスは装備型かい?」

コムイの言葉に首を振る。

「わかりません。記憶を失う前からあったと思うんですが・・・」

「記憶を失う前から?何故そう思うんだい?」

コムイの質問にヒロエは三人を見て、語り出した。

「私・・・目が覚めてからずっと逃げ廻っていたんです。そのときにはもう、このブレスレットは付いていて・・・戦い方を教わるまで、逃げていたんです」

「教わるって誰に?」

「アレン君?」

コムイはそう言ってアレンを見る。

「ち、違いますよ!僕が会ったときにはもう、戦い方を・・・ってあれ?ヒロエ、クロス師匠に会ったんですよね?」

「あ・・・うん。戦い方も、クロスさんに教えられて・・・」

「ええー!」

ヒロエの言葉に三人が叫ぶ。

コムイはヒロエの腕を掴むと、部屋を出て行く。

アレンとリナリーは何かを言いながらついて来る。
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