毎日楽しく団子を食べよう

□1.ピンクの団子
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福沢「...いいだろう」

『よろしくお願いします』

探偵社と話しをつけ、社長の福沢さんにも認められた

約30分間、この2人だけの会話が気になってしょうがない

中島「えーっと、あの人は?」

国木田「先週、太宰が入水している時に助けてもらった白川氷月だ」

中島「またですか...」

彼はいつもトレーナーにジーンズの恰好だったが

ちゃんとしか格好になれば本当にカッコいい

黒地のカッターシャツにグレーのネクタイをきっちりつけ

灰色の丈が長いフード付きコート、焦げ茶色のブーツ、黒いジーパン

白い肌と水色の髪が彼を独特な雰囲気で染め上げている



下の喫茶店に到着しては、彼はすぐさまコーヒーを一口飲み込んだ

『うん、おいしい。甘党の俺にはちょっと苦いけど、いい風味でおいしいよ』

敦君の時にもやった入社してからの先輩の前職クイズ

彼は情報屋だと言っていたから、全問正解するだろう

『谷崎さん達は元学生。国木田さんは数学教師で中島君の場合は無色。そこの入水大好包帯男は元ポートマフィア、だね』

中島「す、すごい。よく分かったねw( ̄Д ̄;)w!」

『俺の前職。情報屋なんで。ありとあらゆる手段を使って自分の興味のある事はとことん調べるのさ』

谷崎「ありとあらゆる手段...( ̄Д ̄;;」

国木田「おい白川。法廷は知ってるか?」

『さあね。2年に1度は世話になるが捕まった事はないし、ドンピシャに法廷を破っているが問題はなかった(‐ ‐)』

国木田「お前!!」

中島「=( ̄□ ̄;)⇒」

カウンターで座っている国木田君が何かをいいかけて止まった

彼の奥に座っている敦君は「マジかよ」っていう表情をしているし

あの兄妹もドン引きしている

国木田「じゃあ、もしも探偵社に依頼がこれば何時間で情報収集が出来る」

『集める内容や量についても左右されるが、まあざっと5分もあれば最低限の情報は集まるさ』

中島・谷崎「「おおーー!!」」

太宰「では、現場はどうだい?時にはヤバい状態にもなるが」

『その辺は適当に出来るから大丈夫さ。依頼の内容にもよるけどね』



探偵社で早めに出て、私は彼とともに寮へと向かう

彼の部屋はないし、敦君の部屋で空き部屋は最後

残ったのは誰かと相部屋

それが

太宰「私さ( ̄▽ ̄)」

『えー、なんか(´・д・`)ヤダ』

太宰「ひどい(´;ω;`)ブワッ」

部屋の中へと入れる

私は主に酒としか付き合いがない

必要最低限のキッチン用品はあるが、使うのは週に2、3回程度

太宰「ところで白川君は料理できるかい?」

『程度には出来るさ。キミのこの生活を見ていればなんとなくは想像がつく。まあ、食事の方は部屋の提供で手を打つよ』

台所へと向かう彼の後姿

太宰「!」

それは確実に彼に重なった

黒河永久の後ろ姿に

太宰「キミには、兄弟でもいるのかい?」

冷蔵庫を開け、中身を確認する彼

私は普通に話しかけた

『強いて言えば「双子」かな?俺には弟がいた』

太宰「彼もポートマフィアだったりするかい?」

冷蔵庫からいくつかの食材を取り出した

『そうだよ。アイツも俺もポートマフィアの一員さ』

太宰「キミは本当に元ポートマフィアかい?」

『正確には違うけど、間接的に言えばそうなる』

どれが本物なんだ?

川岸のあの目つきや余裕は確かに本物だ

それは何度も死闘を繰り広げたかなりの強者

だが今の話が本当であれば、彼はポートマフィアに協力していた重要な人物となる

彼はそのまま包丁を手に取ると、腐る寸前のキャベツを千切りにし始めた

太宰「...!そう言うことか。キミは黒河君と個人的な契約をした情報屋なのか」

『おお...!正解!!』

なるほど、それなら前に聞いた話と今回の話の矛盾が解決した

太宰「そして、キミの双子の弟が黒河永久君だね」

『そうだよ。苗字だけでもバレやすい世の中だから、我々はわざと苗字をずらしたんだ。結果、バレたのは森さんだけだったよ』

太宰「はっぁ!?キミ!よくそれで今まで生きてこられたね!!!」

『姿を見せないのが情報屋なんでね』

なんだろう、とんでもない人物を拾った気がする

いくつかの食材を切り分けると、彼はザルに入れ

炊飯器からご飯を大皿へ大盛りについだ

太宰「そうだ、黒河君の事は何か分からないのかい?」

『知ってるよ。今から4年半前、キミが友人を失う3ヶ月前に死んだよ』

太宰「...森さんか」

『そう。さすがの永久でも森さんの仕掛けた罠や刺客には勝てなかったようだ。わざわざ監視カメラのある場所で、殺されたよ』

ジュワッといい音が聞える

野菜を炒め始め、調味料で味付けをし

ご飯を入れて一緒に炒めれば今日の晩御飯が完成した

その間、私は彼に何も語る事は出来なかった

人を失う痛みや苦しみ、絶望や恐怖は身に染みている

それを彼は血のつながった歳が一緒の大切な家族を失ったことで大きなダメージとなっているだろう

しかもそれは仕事先の同僚に殺されているからこそ

私なんかの何十倍もの苦痛に耐えたはずだ

私は軽率すぎた

探求心は抑えるべきだな、彼の前では
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