毎日楽しく団子を食べよう

□2.初任務、異常なし!
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太宰sid



今日も依頼がやってこない

それは平和の証拠であり、我々探偵社の存続にかかわる事だ

乱歩さんは相変わらず警視庁の依頼で全国を回っている

平和だ、実に平和だ

中島「(゜゜)」

国木田「......」

潤一郎「( ゚д゚)」

『...何?』

太宰「キミが情報屋なのは自己紹介で聞いているけど、ここまで来ると本当に敵にしたくないね」

『何が?』

出社1日目

彼は情報を集めると、過去のデータを調べ始めた

出社2〜8日目

紙媒体のデータを地道にパソコンに打ちこんだ

出社9〜14日目

打ちこんだデータを整理

そして今日

データ整理とともに、全国の情報を集め始めた

国木田「あえて聞くが、法には?」

『まだ触れてないよ。このまま行けば3日後かな?』

国木田「やめろっ!」

『はいはい』

打ちこむスピードもただ者じゃなかったけど

わずか2週間で社内の情報を全て自分の物にするなんて思ってもいなかった

社に迷惑をかけない程度の情報収集

それは僅か2週間で全てを把握できる能力を持っている

彼は確実に私と同じく頭脳派だ

私の場合は自分の信じ切っている観察眼で相手の動きの癖や顔色を見ては判断する

だが彼は私と違い、すでに存在している情報を集めるだけの収集力がある

手当たり次第に拾ってきてはいるものの

その情報はしっかりと簡略化させられても重要な点は確認できる

中島「あの、情報屋って、どのくらいまで調べるんですか?」

敦君の質問にモニターにずっと目を配っていた彼は振り向いた

『そうだね。俺の場合は気分次第、かな?今日はこのネタ、明日はこのネタ。依頼がこればそれに関係する事全てを調べる』

中島「じゃあ、俺たちの個人情報とかも分かるんですか?」

『勿論だよ。例えば国木田君とか』

国木田「何言ってるんだっ!!!」

国木田君のゲンコツが2人の頭に振り下ろされた

敦君は目が飛び出る程の勢いで床に崩れ

白川君は綺麗に避けていた

『国木田独歩。歳は22、誕生日は8月30日。好きな物は手帳、釣り、鰹のたたき。嫌いな物は予定外、権威。異能力名は「独歩吟客」。手帳サイズの道具ならなんでも生み出す事ができる万能性があるのを反面に、必要な物を書くのに時間がかかったり、手帳が手元になかったときは即アウト』

本人に聞いたり任務に行ったのならまだしも

彼はまるで国木田君の事が手に取るように分かっているようだ

個人情報は完璧を極めている

『頭脳派に満ちた武闘派であり、投げ技が得意。教えてもらった師である福沢さんには今だ白星を上げていないものの、その身体能力と戦闘能力はかなり上である。まあ、ざっとこんなもんかな』

皆「「............」」

『ん?どうした?』

モニターを見ながら話すと思ったが

彼はしっかりと頭の中に我々の個人情報を蓄えている

そしてその正確さにもドン引きレベル

完璧なんて物じゃない、100点満点以上の答えだ

太宰「白川君。キミの収集力と解析力は異常だ。これがポートマフィアに知れれば向こうは喉から手が出る程にキミを欲するだろう」

『まあ、そうだろうね』

太宰「だからこその注意だ。五大幹部には気をつけたまえ。キミの身の安全のためにも、我々の存続のためにもだ」

『元からそのつもりさ。でなければ、ここに就職なんてしないよ』

足元にあるリュックサックから前と同じ三色団子が現れる

パックを開け、綺麗に3本並んでいる中

左の団子を持ち上げてはピンクの餅を頬張った

『ここでの俺の立場はまだ分かっていない。情報収集と化してここで待機するのか、情報を集めつつ実行に移すか、はたまた何かしらの餌となるか。それを決めるのは俺じゃない』

モニターを見ながら彼は今日の情報を打ちこんでいく

それは今日のニュースでもある

『好きに使ってくれて構わない。俺は新入社員。何をどうするのか教えてくれなければ右も左も分からない』

潤一郎「あ、その事ですが...」

国木田「なんだ?」

今まで白川君の後ろで微動だにしなかった谷崎君が動き出す

ポケットの中のメモ用紙を出すと、いくつかのページをめくって話だす

潤一郎「今日の午後から依頼が1つ入っています。先に聞いた話だと麻薬密売の証拠を掴むそうです」

敦君の時の初任務と一緒だな

そう思いながら白川君はモニターを見たまま、手はキーボードをずっと叩いている

国木田「依頼主の名前は?」

潤一郎「佐藤信和さんと言う若い男性です」

『ふーん』

中島「なんかデジャブがあります...」

敦君の時はポートマフィアの罠であったために軽率な動きは出来ない

だからと言って依頼を無視するのはいけない

『いいんじゃない?俺はどっちでも、ね?』

モニターを見ていた目つきが変わった

薄い笑みを浮かべていた表情は

口角を平行に、目を細めてモニターを凝視していた
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