毎日楽しく団子を食べよう

□3.護衛任務、異常あり!
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国木田sid



国木田「白川。次の任務が決まった。お前は今回、ここでの情報収集だ」

『了解』

団子を銜えて仕事をする姿がもうデフォルトになりつつあるコイツ

白川氷月は今から1ヶ月前に太宰が拾ってきた元情報屋

怪しい笑みを振りまきながらも仕事はしっかりとする

コイツの拾ってくる情報は9割は正確であり

残りの1割は掴んだ情報が古くて外れる事がたまにある

『内容は?』

国木田「お偉いさんの護衛だ。敦と谷崎が行く」

『ふーん』

国木田「俺と太宰でバックアップに回る。狙撃されやすいポイントの割り出しと監視カメラを使って怪しい人物を割り出せ」

『いや、後半は不可能だから』

そんな事、俺でもわかっている

だが不可能な事でもパソコンの前では無敵になれるお前がいるからなんとなく言ってしまう

『いつから?』

国木田「明日の午前11時から翌日の午後12時までだ」

『約35時間か、オールだな。明後日は休日もらってもいい?さすがにキツイ』

国木田「ああ、既に社長と相談し許可はとってある」

『ん。ならいいよ』

パソコンを起動したまま、彼は席から立つと鞄を持った

『今から2時間休憩頂戴。前に使っていた家に行ってある物を取りに行きたいんだ。出来れば1人でね』

国木田「分かった。絶対に戻って来いよ」

『露骨なフラグを立ててもらうと回収したくなるではないか』

国木田「さっさと行ってこい!」

『はいはい』

探偵社の事務室から出て行く

太宰以上に人が読めない

この英語と数字の羅列がアイツには日本語どうぜんに見えるのだろう

だが俺には理解出来ない

太宰は太宰で考えている事があり、それが分かれば理解も出来る

だがアイツは違う

誰にも悟られないように、何かから逃げるようにしてアイツは何処かへ行く

その後ろ姿が、どことなく怖い

国木田「お前もさっさと仕事をしろ。いつまで白川を見つめている」

太宰「わが子がー!!」

国木田「お前の子じゃねーだろ!!」

探偵社を出たアイツの姿を太宰はずっと見つめている

終いにはわが子とか言う

だが一風変わって、ヤツの表情は変わる

国木田「太宰。どうしてアイツを前衛からはずし、ここでの司令塔にした」

そう、この依頼

元より敦と谷崎と白川にやらせるつもりだった

だが、コイツが頑なに白川が前衛にもバックアップにも回さなかったのだ

太宰「ん?ちょっとね」

ヤツの異能力をアイツは太宰が知っていると言った

もしかしたら本当に知っているやもしれん

敦の場合は異能力による勘を

谷崎の場合は異能力による位置ずらし

白川の場合は前回の任務による格闘技を使うと思っていた

太宰「異能力の内容は分からない。だが発生条件だけは分かったかもしれないんだ」

国木田「何?」

太宰「彼の異能力は触れた物へ何かしらの事をするんだろう。重要な部分としては「触れた物」だ」

国木田「触れたものだと?」

自分のデスクに腰をおろし、心配そうに窓の外を眺めている

それは、何かを知っていて事前に防ぐことの出来ない焦りがあるようだ

太宰「彼の異能力は物に触れないと発動しない。前回の銃弾の雨も、触れていたんだ」

国木田「触れていたのであればなぜ無傷だ。そこが矛盾している」

太宰「触れた瞬間に威力を相殺する異能力であればどうだい?彼は銃弾に触れた瞬間に異能力を発動出せ、本来ならば弾は肉を抉るがその威力を全て無効かさせる。あり得ない話ではない。何しろ、異能力だからね」

国木田「...!、じゃあ、痛みは...」

太宰「勿論あるだろう。証拠に、彼の寝巻をはぎ取った所、無数の青痣が体を侵食していた。痛みは感じるが、我慢しているか誤魔化している」

あの銃弾の雨を受けた

それは壮絶な痛みと共に、かなりの苦痛も我慢した

普通の人ならば失神してもおかしくないのに

アイツは平然と立っては、その後にあった一点集中も平気な顔をしていた

太宰「薬で抑えられるレベルじゃない。もしかしたら本当に痛覚がないに等しいくらいに鈍っているか、かなり強力な痛み止めを服用している。今回、狙撃による暗殺だってあるかもしれない。ピストルやサブマシンガンとかじゃない。スナイパーライフルはもっと威力が高く、重く相手を殺す」

国木田「例え異能力で威力を相殺しようが、さすがに痛みは抑えられず、人質になる可能性が高いと言う事か」

太宰「そういう事」

そうとなれば確かに今回の任務には不向きだ

ここでの司令塔でいいだろう

ヤツには無限に情報を収集する事が出来る

確かに、白川には今後のためにもここを理解させたほうが早いだろう

そのあと、1時間40分後にアイツは戻ってきた
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