動物達は僕の味方

□00.僕は動物が好き
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小さい頃の話、物心がついてようやく記憶が保たれる年齢

5歳の時、僕の隣にはいつも梟がいた

好きなアニメの動物に似ていて、「ホーホー」と名付けた

大きさは掌サイズで、全身が白い「雪見大福」みないた感じ

寝る時は枕元に居て、頬に自分の身体を擦りつけてくるから甘えていると思い

寝る前に何度も何度もその小さな身体を撫でるのが日課だった

何処に行く時も一緒、保育園、公園、塾、買い物から、トイレ、風呂、ご飯、勉強の時も

ずっと、ずっと、一緒

冬の散歩で母親と手を繋いで雪道を歩いていた

頭には小さい「ホーホー」がずっと乗っていて、周りを何度もキョロキョロし

自分の背丈よりも、母親よりも大きな雪の壁があり、そこに木が刺さってた

木の枝には梟がいた「ホーホーみたい!」と指を差していったら母親は苦笑し「あれとはちょっと違うよ」と教えてくれたが

「ホーホーはお友達でしょ?ほら、僕の頭の上にいるよ!」と頭を母親に見せるも「ハイハイ」と流された

小学校の入学式には母だけが来た

父親は出張中で帰ってこれず、それでもその日のうちに電話で「おめでとう」と言われ嬉しかった

その時の電話で「ホーホーってお友達だよね?」と聞くと、苦笑を漏らした父親が「あれとはちょっと違うよ」と母親と同じ事を言う

小学一年生の夏、庭に狐がいた

母に伝えると疑問符を浮かべて縁側に座る

小さい白い狐でこれもまた掌サイズ

頭にいる「ホーホー」がギャーギャー騒ぐけど、僕は動物が好きだら「仲良く」と怒ると

それ以来、狐を見ても「ホーホー」は大人しく、逆にじゃれ合うようになった

僕の周りにいた狐は何処かの童話で「コンコン」と鳴くから「コン」と名付け

右肩によく座っていた

冬休みに入ると母型の祖父母の家に送られ、祖父母は生まれた時から中々顔を会せていないからか

大きくなった僕に驚き、母と父は年末年始も仕事だからと、預けられるようになった

祖父から「ほう...」と品定めするかのような視線を貰い、定め終わったのかため息を吐き出し

隣にいる祖母はホーホーとコンを撫でていた

祖父から「誰かに話した事はあるか?」と聞かれて「母さんと父さん」と言うと「他には言っちゃいけないよ。友達がいなくなるからね」と言われ

祖母からも「いいお友達が出来たね」と喜んでいた

祖父はこの事を細かく、丁寧に教えてくれた

小さい子でも分かるように

これは「呪力」と言う呪いの力で生み出された「呪術」

僕の場合は2つの「特徴的な呪術」が組み合わさっていた

1つは動物の呪霊を引き付けやすいがため、その呪霊を下僕のように扱える

僕が優しいからこそ「憑かれている」がただしいが、しっかりとした主従関係がなっているため宿主を殺す事はないと言った

その主従関係が「名付け」、呪霊1匹を名付ける事によって「今日からお前の主だ」と言う意味で呪霊もそれに従っている

新しい呪霊が来る経緯は分かっていないが、これからもどんどん増えるだろうとの事

そしてもう1つの「呪術」は「水分」を操る事が出来るらしい

小さい子供に「水分」なんて言われて「水」とどう違うのか理解出来なかったが

大きくなるに連れて学校で学んで分かった

雪国育ちでもあるからこそ、他の人よりも「水分」について理解したし

インターネットを利用して「どういう所に使われているのかも」理解した

小学4年生に上がると不気味なモノがハッキリと見えるようになった

生まれたての頃は「黒い靄」で済まされていたが、それはしっかりと生物のような形をしており

それを祖父母に話すと1本の刀を貰った

「護身用に」と

そこから体術や刀の使い方を何度も教えてもらい、最後にはシルバーチェーンにぶら下がっている指輪を貰い

「毎日つけてなさい」と言われ、風呂場でも水泳の授業でも離さず、ずっと首にぶら下げていた

不思議と誰の目にも止まらず「これは呪力を扱う者しか見えない」と言われて胸を撫で下ろした

気づけば動物は増えていき「黒猫のクロ」と「白猫のハク」がいつの間にか増えていて

桜好きの「イルカのサクラ」とお家大好き「ヤモリのヤモ」とピーナッツ大好き「白蛇のピー」と増えて来た

周りの友達は何故か急に不気味がっては、虐められたりしたけど何も問題はなかった

祖父から言われていた「主が危険に晒されると下僕がソイツらを襲うぞ」と言ったのを思い出し「ダメ」と伝えた

中学生に上がる頃には祖父母は他界、普通に寿命を迎えたらしく

父母は小学1年生に上がった弟を大変可愛がっていた

放置される訳でもないが、父母は少し不気味だと思って僕と弟は近寄らせないし

弟も僕の事が「気持ち悪い」と言った

「下僕」の「友達」はそんな家族をあまり好きではなかったが「手出ししないで」と伝えれば「家族と家を他の呪霊から守って」くれていた
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