毎日楽しく団子を食べよう

□2.初任務、異常なし!
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若いスーツ姿の男性

今日の依頼人である

佐藤「初めまして、電話で前予約をさせていただいた佐藤信和を申します」

潤一郎「今回のご依頼は麻薬密売の現場を抑える事でよろしいでしょうか?」

佐藤「はい。そうです」

話を聞くとこうだ

佐藤さんが務めている仕事先の裏手に小さな一軒家があるそうだ

怪しい男達が毎週決まった曜日と時間に集まるために佐藤さんの同僚が偵察

するとそこは麻薬密売を行っている場所だそうだ

さらによく見れば自分の通勤している会社員の何人かもいるため

会社の表を汚す事がないようにしたいと言う事だ

ここまで聞けば彼は真っ当な人であり

会社を守りたいと純粋で思っているだろうね

『小さな一軒家には、いつもどれくらいの人数が?』

佐藤「時間によっての出入りは分かりませんが、私が少しの間見ていると3人は余裕で入っていきます」

『なるほどね。失礼ですが、佐藤さんの仕事はなんですか?』

佐藤「双葉総合病院で働いている看護師です」

太宰「確かに。病院の近くで麻薬取引をして、さらには同僚もしているとなるとイメージダウンは半端ないだろうね」

佐藤「はい。警察に話せばそれは大きな事件となって私は職を失うかもしれません。なので、武装探偵社にて静かに鎮圧してほしいのです」

必死に頼んでいる姿

それは本当に心から望んでいるようだ

太宰「分かった。白川君、初任務だ。いけるかな?」

『構わないよ。あつまる曜日はいつですか?」

佐藤「毎週月曜日です」

『りょーかい。あとはやるよ』

佐藤「!、ありがとうございます!!」



月曜日は昨日だった

動くとすれば次の月曜日である6日後だ

それまでに別の証拠を捕まえないといけない

なのに

『......』

パソコンのモニターを前にして椅子に全力で体重を預けている

国木田「どうした?」

『いや、平和な仕事が来たんだなって』

中島「麻薬密売の現場を抑える事が平和な事ですか?」

『あー、そうか。うん、そうだね。そうだ、そうだ。俺がおかしいんだ。今のは訂正するよ。この依頼は「危険」だね』

元ポートマフィアに情報を売っていた身とすれば

麻薬密売の現場を捜索し、発見、鎮圧なんて朝飯前

そう思えば、ここに飛んでくる依頼は本当に優しいものだ

だからこそ、彼の感覚もすっかりと毒されている

私以上ではないけどね

中島「どうしますか?今日は火曜日。密売をしているのは来週の月曜日。今から現場に張り込みしても意味があるのでしょうか?」

国木田「いや、今から現場を張り込みしてもあまり意味がないだろう。せめてその2、3日前からだろうな」



初任務の内容を聞き、私と白川君は定時になって帰宅をする

あの後、彼は嘘のように

まるでそこにいないかのようにずっと黙ってはパソコンのモニターを凝視していた

私がちょっかいをかけても、敦君が声をかけても、国木田君が怒っても

彼はずっと何かを悩んでいるように見える

寮まで何事もなくたどり着き、彼はしっかりと靴を脱いで畳の上で胡坐を掻く

そして

『ああ、なるほど。だから我々なのか。ふーん、納得した』

と、考え事からしっかりと抜け出せたようだ

私は久しぶりに台所へと立ち、夕食の準備をしようとした

だが、私たちを無視してまで考える内容

それは一体なんだったのか、気になってしまう

太宰「何を考えていたんだい?」

『ん?何でもないよ。ただ、依頼がなんで武装探偵社に来たのか疑問に思っていただけなんだ』

太宰「ああ、なんで警察じゃないのか?って事だね」

『警察に行けば確かに病院の職員も薬物接種をしていた事により、その病院が消えるのは目に見えている。もっと酷ければ患者にも投与している可能性が高い。いくらそれを誤魔化そうにも探偵社に依頼が来るのも納得はできる。ではなぜ「武装探偵社」なんだ、ってね』

太宰「分かったのかい?」

『うん。簡単だった。相手に異能力者がいるからだろうな』

確かに

密かに調べ、その場所から追い出すためだけだったら普通の探偵でも出来る

だが、それをしなかったのは出来なかったからだ

相手に異能力者がいると、..........

太宰「...あのさ。キミの考えている事。少し分かったかもしれない」

『うん。実に面倒だろうね。これの解決は』

太宰「戦闘は?」

『程々』

太宰「じゃあ、潜入捜査も必要ないね。その場で調べて結果を見ればいいだけか」

『相手が分かればルートを洗うのは簡単だよ』

太宰「くれぐれもポートマフィアに捕まらないでね。助けるのとか面倒だし」

『大丈夫。捕まって吐かされるくらいなら、俺は俺を簡単に捨てれるから。問題なく放置してくれ』

どうしてそんなことが言えるのだろうか

やっぱり、弟を失った悲しみで可笑しくなっているのかもしれない

けど、どうしてなのか私も理解できない

織田作が死んで、私は織田作の言葉を信じて此処まで来た

彼は、どこか、ネジがないような

誰かに何かをしてほしそうな感じがする
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