毎日楽しく団子を食べよう

□8.アジトへ
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氷月の残した情報はあの報告書だけではなかった

武装探偵社は捉えられている可能性のある太宰と氷月の奪還を計画し

異能特務課から与えられた敵のボスの捕獲をするために港にある倉庫に来ていた

国木田「ここだな」

中島「ぼ、僕も行くの...?」

国木田「お前は貴重な戦力だ。探偵社に置いておけば非戦闘員の乱歩さんや与謝野先生まで巻き込んでしまうだろ」

泉「大丈夫。私があなたを守るから」

USBのファイルに残っていた地図データを引っ張り出せば

敵アジトの入り口が書かれたマップがあった

今も使われている所と使われていない所とあるため、江戸川の推理能力を駆使し

この港の倉庫が一番使われていると推測した



中に入るとコンテナばかりしか目に入ってこない

暗がりで、昼間なのに倉庫の中は真っ暗だった

中島「この倉庫のどこかに...」

江戸川は倉庫の中に隠し階段があり、地下へ通じていると予測している

そして、あのドーム状の建物は異能力によって作られた物だとも言っていた

探索を開始して10分

泉「あったよ」

コンテナの中を調べていた泉が地下へと通じる地下への階段を見つけていた

国木田「まさか、コンテナの中にあるとはな」

どうやらここは今は使われていない倉庫のようだ

隣や正面にある倉庫は普通に使われているために、このコンテナも使われていると思い込んでいた

倉庫の地面にないのであれば、中はどうだろうか?

そう思った泉が調べた結果、その予想は的中た

国木田「俺が先に行く。敦は後ろを頼んだぞ」

中島「りょ、了解」

懐中電灯を異能力によって作り出した国木田が先導する

次に泉、最後の中島と警戒しながら進む

綺麗に整えられたコンクリートの階段

3人分の足音が壁や天井に反響する

冷たいコンクリートなのに

3人はこれから訪れるであろう敵との交戦を考えていた



階段を降りた先には廃坑のように左右に豆電球がついている道が続いていた

先に進むに連れ、いくつもの十字路があった

中島「真っすぐで、いいんですよね?」

国木田「白川の残した情報が正しければ「階段降りて真っすぐ」だったからな」

泉「行ってみよう」

階段を降りた時間は約5分

階段を降りてから真っすぐ進んで既に10分が経過しそうな所

先から人の気配があり、警戒しながら進んでいった

?「あァ?テメェらか...」

広い通路

前方には、彼らが見知った顔が2つ

国木田「お前、中原中也か」

中原「遅かったな武装探偵社」

中島「芥川...」

芥川「人虎」

大きな扉の前には

ポートマフィア五大幹部の1人、触れた物の重力とベクトルの強さを操る異能力を持つ中原中也と

ポートマフィアの遊撃隊長、服を黒獣に変化させる異能力を持つ芥川龍之介

この2人に会った日には、どんなにいい思い出が出来ようとも最悪の1日に変える事の出来る存在である

その2人が、どうして武装探偵社よりも先に此処に居るのかが気になっていた

国木田「どうしてポートマフィアが此処に居るんだ?まさかだと思うが、お前らもアイツらの仲間なのか」

中原「ちげーよ。首領にメールが届いたんだよ。あるデータと共にな。んで、俺と芥川がここにいるんだ」

国木田「メールが?誰からだ」

中原「それが可笑しい話なんだよ。亡霊からメールが来たんだ」

中島「亡霊?」

武装探偵社が此処の情報を知ったのは1週間前に国木田が白川からUSBメモリを預けられたからである

一方、ポートマフィアは首領である森鴎外の所に一通のメールが届いた事により此処へ来る事が出来たらしい

そして、そのメールが届いたのは2日前だと言う

中原「亡霊の名前は黒河永久。元ポートマフィアの幹部補佐で太宰の手下だった野郎だ」

中島「太宰さんの!」

敵拠点の真ん前で、互いに情報交換をしあい

どの情報が正しいのか判断している

話してみるとそれは殆どが合致しており、疑いのない情報となったのは言うまでもないだろう

中島「白川氷月?そんなヤツは知らねーな」

中島「黒河永久さんと言う人を、僕たちは知りません」

そして、一番の謎なのは

互いの組織に入っているこの情報提供者の事を何1つ知らない事だ

年齢、特徴、性格が知れても

家族構成、住所、携帯の電話番号の本人に関する事が知れていない

国木田「兎に角、お互いの持っている情報はほぼ同じ。この場所にいると思われるボスを捕獲する事が武装探偵社が受け取った異能特務課からの依頼だ」

中原「こっちは首領の命令でボスとデータは壊すなって事だ。それ以外は探偵社の空きにしろって命令だ」

国木田「では、行くぞ」
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