ただの学園生活をしてくれ

□1.高校生活、最初の春は大騒動
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玄関から校門に行くまでの道のりが見える職員室

入学式を終えた80人の新入生と

式の手伝いをしてくれた在校生が帰って行く姿が見える中

今職員室では職員会議が開かれていた

国木田「今年の生徒は殺傷能力の高い生徒が多いな。80人のクラスに4人もいる」

数学教師、国木田独歩

中原「こりゃ、体育は慎重にやらないといけねーな」

保健体育教師、中原中也

与謝野「始まって早々に連れて来ないでよ」

保健医担当、与謝野晶子

尾崎「出来るだけ、大会には出しなくなのう...」

古典、漢文教師、尾崎紅葉

谷崎「けど、それが出来ないのが政府との約束ですもんね...」

日本史教師、谷崎純一郎

森「さて、これをどうしましょうかね」

世界史教師、森鴎外

福沢「大会まで残り4ヶ月。夏休み前が一番に結果が分けられる」

国語教師、福沢諭吉

梶井「やっぱ、そこかー」

化学教師、梶井基次郎

泉「そこから、選抜。得手不得手の練習」

生物教師、泉鏡花

立原「出来るだけ即死級は使いたくないよな」

物理教師、立原道造

江戸川「使い方次第、だね。生徒の感情もコントロールしないといけない」

英語教師、江戸川乱歩

芥川「まずは異能力がどれだけ使えるか、だな」

英語補助、芥川龍之介

中島「そうだね。まずはそこから考えないと」

英語補助、中島敦

太宰「ま、その辺はまだ後でもいいね」

1年生担任兼体育補助、太宰治



学園の先生が頭を悩ませているのは

今年入って来た生徒の中に、攻撃性の強い異能力者が多く

またその異能力を発動させ、1歩間違えれば簡単に殺せる程の強力な異能力者が入って来た事だ

目を付けている生徒は4人


斎藤雄二、男性、異能力名「紙吹雪」

加藤正義、男性、異能力名「指鉄砲」

森永彩子、女性、異能力名「植物栽培」

風切柚木、女性、異能力名「鎌鼬」


この4人が危険視されている

太宰「私としてはもう1人いるけど、このさい言っておくよ」


白川氷月、女性、異能力名「収集癖」


中島「この人もですか?」

江戸川「なるほどね。下手をすれば、今あげた4人の中で最もたちが悪い」

中原「異能力名はそこまでだが、これが分かっているとと成るともう既に1つ以上は持っているな」

梶井「だったら、視認範囲攻撃もかなり厄介じゃないか?」

福沢「問題は多いが、これからが大事だ」

森「くれぐれも、問題を起こさないようにね」



中原「言ってる傍から、最悪だ...」

始業式を終えて2週間

運動場で1年生が体育の授業をしていた

1人の生徒が偶々隣にいた人の足に躓き転倒

そこから手を差し伸べた生徒に向かって異能力を使った

そこからリストバンドをとっての異能力バトルが始まり

2人から4人、4人から8人、8人から16人へと倍々ゲームのように始まった

体育では教科担当の先生が許可をした場合のみリストバンドを取る事が許されているが

沸点に到達した頭ではその約束事も忘れ、精神系の異能力が掛かった者は攻撃を繰り出す

攻撃をしてきた人物に攻撃をする者

ルールを覚えている者は攻撃が当たらないように逃げる者

何がなんだか分からずに放心する者の他に

白川「のん。明日の英語って提出物あっちゃけんね?」

風切「うん。明日の朝までに提出だよ」

校舎と運動場を分ける階段の上で呑気に話している者が2名居た

その2人はしっかりとリストバンドを付けており

「関係ありません」と言った表情で攻撃が当たらないように運動場を見ながら喋っていた

中原「お前らは異常だけど、助かるな」

風切「はぁーーっ!!中也先生に褒められたー!!」

白川「正確には、アイツらがおかしいんじゃよ。我らが異常の正常なんじゃ」

風切「え?どっち?」

白川「止めなくええんですかー、中原センセー」

今年の生徒は危険な生徒が多い

最初にも言ったように殺傷能力の高い生徒が多く、また攻撃系の異能力者が多い

精神系の異能力者は厄介な者が多く、条件さえ合えば範囲で精神支配をする

止めるためには始めた者を抑えても他が居るため、止めるには一斉に止めないといけない

現在、異能力バトルを行っている生徒は26人

2名は異常の正常で、他の12人は放心やら回避やらとしている

まずは、この10人を安全圏に入れないと他の行動に移せない

白川「あ、我ら暇じゃないんで」

中原「まだなんも言ってねーだろ」

白川「何となく返した」

風切「私は暇ですよ!先生!!」

中原「オメーは論外だ」

風切柚木がこの中に入った場合、間違いなく大怪我してくるだろう

そうすれば与謝野の餌食となる

逆に白川氷月が入って行けば、喧嘩は増大するだろう

風切「提案があります!」

中原「なんだ?」

風切「先生の重力でペシャンとっ!!」

白川「死人出るな」

元気よく立った風切を横目に、膝の上で頬杖をついてダルそうにしている白川の安定のツッコミ

このペアはある意味普通で変

そんな矛盾がピッタリなペアだ
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