第2部 魔女の監獄≪ウィッチズ・プリズン≫

□第31話 監獄のマジカルアンバー、第32話 襲来、黒き影、第33話 対面する二人
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第33話 対面する二人

きらきら人魚「ほむらさん、あの人は誰なんですか?」
暁美ほむら「ポートマフィアの芥川…殺戮に特化した異能を持つ男よ、決して油断ならないわ。」
イカ娘「そんなやばい奴に勝てるんでゲソ?」
暁美ほむら「…分からないわ、でもみんなが来るまでの時間稼ぎくらいは何とかなりそうね。」
芥川龍之介「手早く済ませるとしよう…≪羅生門≫!」
イカ娘「!来るでゲソ!」
芥川の羅生門がほむらを食らわんと襲い掛かる。
きらきら人魚「アクアシールド!」
芥川龍之介「防げると思うか?」
きらきら人魚の張った盾は羅生門に食い破られる。
きらきら人魚「嘘…!」
芥川龍之介「羅生門は悪食、あらゆる者を食らう。」
暁美ほむら「きらきら人魚!イカ娘!貴女たちは下がってなさい!」
時を止め、芥川の背後に回っていたほむらがショットガンを数発撃ち込む。
芥川龍之介「無駄だ、僕(やつがれ)に銃弾など届くことはない。」
きらきら人魚「そんな、銃が効かないなんて…。」
イカ娘「何て化け物でゲソ…。」
暁美ほむら「…きらきら人魚とイカ娘には手を出さないで、狙うなら私だけにしなさい。」
芥川龍之介「…いいだろう。」
きらきら人魚「ほむらさん!私だって戦えますよ!」
暁美ほむら「駄目よ、きらきら人魚。さっきのを見たでしょう?貴女の操る水はこの男に通用しないわ。それにここで貴女が捕われてしまったら、貴女を保護した意味が無くなってしまう。それではわくわく団の思惑通りに事が運んでしまうわ。」
きらきら人魚「ほむらさん…。」
暁美ほむら「この先の避難シェルターに灰原哀たちが向かっているわ。二人とも彼女たちと合流しなさい。」
きらきら人魚「分かり、ました…ご無事を祈っています!」
イカ娘「ほむら、負けるんじゃないでゲソ!」
二人は避難シェルターへと駆けてゆく。
芥川龍之介「覚悟は決めたか。」
暁美ほむら「ええ。」
芥川龍之介「…そうか。」
暁美ほむら「ようやく、これが使えるわ。」
芥川龍之介「ほう、グレネードランチャーか。」
暁美ほむら「その自慢の空間断絶でも、流石にこれは防いだことがあるかしら?」
ドォォオオオン!!
轟音と共に砲弾が放たれる。
それが芥川に命中すると、彼の周囲は爆風に満たされる。
やがて煙が晴れるとそこには…。
無傷の芥川が立っていた。
暁美ほむら「!そんな、流石にグレネードランチャーを防ぐなんて…有り得ないわ!」
芥川龍之介「確かに以前の僕(やつがれ)では不可能だった。だがこれもまた、わくわく団の恩恵なのだ。」
暁美ほむら「異能力の出力が向上しているというの?一体どれほどの力が…。」
芥川龍之介「終わりだ。」
ほむらの周囲を包むように羅生門が床から飛び出す。
暁美ほむら「しまっ…!」
ほむらは羅生門に捕らわれる。
芥川龍之介「少し予定とは違うが、人質は捕らえた。では帰るとしよう。」
姫「ふふん、そうはいかぬぞ。」
芥川龍之介「何?」
次の瞬間、羅生門は消滅しほむらが救出される。
九鳳院紫「ほむら!無事だったか!」
芥川龍之介「この異能は、まさか…!」
太宰治「やあ、芥川君じゃないか。久しぶりだね。」
芥川龍之介「太宰さん…!」
姫「ほむら、時間稼ぎご苦労であった。」
コナン「姫、彼女は?」
姫「暁美ほむら、此奴もまた我がレジスタンスの一員だ。」
コナン「へぇ〜。ま、取り敢えず間に合ったみたいで良かったじゃねえか。」
九鳳院紫「太宰がいれば恐れる者など何もないからな!」
芥川龍之介「…太宰さん、今日のところは引きましょう。だが次こそは…!」
太宰治「次こそは、何だい?」
芥川龍之介「次こそは我々が、勝利する。」
太宰治「“我々”、か…一匹狼の君にしては珍しい言葉だね。」
芥川龍之介「…。」
芥川は無言で去っていく。
暁美ほむら「…感謝するわ。」
姫「きらきら人魚はどうした?」
暁美ほむら「避難シェルターに向かっているわ。」
姫「では向かおう、合流するのだ。」
つのウサギ「やっときらお姉ちゃんに会えるんだね!」
りんりんネコ「私、楽しみ♪」
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