SEED.D

□心地よい距離
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ある日のお昼にはまだ早い時間。
イザーク・ジュールはある屋敷のインターホンを押した。
『はい。』
間も無く確認の声が聞こえる。
「俺だ。」
イザークはその穏やかな聞き覚えのある声に本人と断定し簡潔に伝える。
『あ、はい。どうぞ。』
その声のすぐ後に門は開いた。
屋敷の中に入り案内された部屋には緑色の癖毛が特徴的なニコル・アマルフィが優しい笑顔でイザークを迎えた。
「随分と早かったですね。」
その言葉にイザークは顔をしかめた。
「は?10時に集合だと言っていただろう。他の奴らはどうした。」
「まだ来てませんよ。」
「あぁ?」
「イザークってばやっぱり聞いてなかったんですね。あの後それじゃあ早すぎるだろってアスランやディアッカが言ってたの。」
イザークの眉間の皺が深くなる。
「…ラスティは?」
「彼が時間通りになんて来るわけないじゃないですか。」
イザークの目が釣り上がる。
「そもそもあいつがお前の家に遊びに行こうと言い出したんだろうが!それも折角だから一日遊ぼうとこの時間を指定して!!」
ニコルは苦笑いするしかなかった。
「まぁまぁ、とりあえず折角来てくれたんですから、座ってゆっくりして下さい。」
「ったく!」
イザークは息をつきながら椅子に腰かけた。
「紅茶でいいですか?」
「…ああ。」
ニコルはイザークの返事を聞くと部屋の外へ出て行った。
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