book
□twilight
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今日も続くミッション。
前と比べて人数は随分と減り、囮に出来るような人はどんどん減っていくのに星人はどんどん強くなっていく。
少し遠くで玄野くん達が既に戦っているのか、爆発音が聞こえた。
「……行くぞ」
「あっ……」
それを合図に透明になって先に行ってしまおうとする西くんを私は追いかけて、裾を握った。
何故かわからないけれど、嫌な予感が消えなくて…もうこれで最後になってしまうような気がして、不安で涙がこぼれる。
西くんは私を見て、目を見開いた。
「お前……泣いてンの?」
ステルスを解いた西くんの手が私の頬に触れて、体がぴくんと跳ねる。
「西くんッ…私の前から、いなくならないよね?
死んだり、しないよね…?」
「死」と言う言葉を口にした途端、私の目から再び涙が溢れ出す。
西くんは何も答えない。
それが余計私の不安を駆り立てた。
もし、西くんがいなくなってしまったら私はどうなるのだろう…そんな事考えたくない。けど…
「私が西くんを…守るよ」
「……俺より弱いのにか?」
震えた声に顔を上げると、西くんの目が少し揺らいでいた。
こんな顔を見るのは初めてだ。
守る
例え私が死ぬとしても
西くんが私の事嫌いでも、私は………
「…私、確かに弱いけど…囮になる位はでき、」
その瞬間、何かに腕を引っ張られ、視界が真っ暗になった。
西くんの腕だ。
……私、西くんに抱き締められてる?
「西く…「ふざけンなよッ」ッ!!!!!!」
ぎゅうっと抱きしめている腕が更に強くなる。
なんで…?
西くんは私の事なんて好きじゃないのに
胸が、苦しい
「俺は…お前は…お前だけは…囮になンかさせたくねぇッ」
「…え……」
「…………好き、だ」
その言葉を聞いて一瞬、息が止まった。
西くんが私を好き?
頭の中がぐるぐるする。
早く星人を倒しに行かなきゃ行けないのに、私達はその場から動けないでいた。
twilight
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