黒子のバスケ

□悪童の目にも彼女
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「あれれ?花宮の彼女さんじゃない?」


聞こえて来た声の方へ向くと、
先程対戦した霧崎第一の方々がいました。

声の主はガムを噛んでいる…原さんといったでしょうか。


「ほんとだ!彼女きてんじゃん!」


花宮さんはチームメイトの声を無視して、
そのまま歩を進めます。
壁に背を預けて立っている、
霧崎第一の制服を来た女性に近づき、
ドスの効いた声で、おい、というと、
その女性が花宮さんを見上げました。


試合中より一層怖い顔をした花宮さんを見て、
女性はニヤリとしました。


「だっさ。」


「ああ?!」


「卑怯な手使って負けるとかださ…いひゃい!」


花宮さんは女性の頬を抓ります。

彼女相手にも容赦ないようです。


「見にくんなっつったろうが!」


「言われたけど、
 私は見にこないとは言ってませーん!」


つねられた頬を撫でながら反抗する彼女さん。
あの花宮さんに対抗できるとは、
余程気が強いとみえます。


こちらの先輩方も、
呆然とそのやり取りを眺めています。

すると花宮さんがこちらに気づきました。

渋い顔をした彼は、
着ていたジャージを脱いだかと思うと、
彼女さんの頭に被せてしまいました。


「ちょっなに?!」


「うるせえ!
 取ったらコロス…」


「物騒なこと言うな!
 ってか汗臭いんだけど!」


「家までそのままにしとけ。行くぞ!」


「いや、前見えないから!」


そう訴えた彼女さんの腕を引いて、
花宮さんはさっさと行ってしまいました。


「ぷっ…心配なら、ラフプレーなんてやめりゃいいのに。」


「顔が知られたら、
 花宮に恨み持ってるやつになにされるかわかんないもんなー。」


「あんまり勝手なことを言っていると、
 練習メニューが地獄になるぞ。」


「でも事実だろ?」


どうやら花宮さんは、
彼女さんが大好きなようです。
あんな人でも、大事な方がいるのですね。

今度会ったら、
このネタで揺さぶりをかけるのも、
面白いかもしれません。(黒笑)








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