黒子のバスケ

□ビタースウィート
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「これいいなー。欲しい。」


テレビの通販番組で紹介された魅力的な商品。
値段もお手頃だし、数量限定だって。


「…お前、簡単に騙されそうだな。」


ひとり言のつもりだったけど、
隣で本を読んでいた真が返事をしたことで、
会話になる。


「騙されそうって、関係なくない?」


「その商品、実際は評判良くねえぜ。」


目線は本に落としたまま、
淡々と真は答えた。


「え、そうなの?」


「これだけインターネットが発達してんだから、
 それくらい調べりゃすぐわかんだろ。」


そうだったのか。
危うく電話をかけてしまうところだった。


「……調べねえのかよ。」


「なにを?」


「人の言葉鵜呑みにしてばっかいねえで、
 自分で確かめろって言ってんだ。」


俺が嘘ついてるかもしれねえぜ、と、
ようやくこちらを見た真の顔は、
完全に私をバカにしていた。


「いいカモだな。」


「そうだよねー。
 真なんかと付き合ってる時点で、
 騙されてるよねー。」


「ふはっ、好きなくせに。」


余裕の笑みで恥ずかしいところを突かれる。


「なによ!
 真が告白してきたくせに!」


「そうだな。俺がいる間は守ってやるよ。」


勝ち誇った顔を向けられ、
ムカついたから不意打でキスしてやった。












fin.




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