文豪ストレイドッグス

□その手に触れるまで-1-
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午後の静かな一時。

私が店員として働いている「うずまき」に今、
客は目の前に座る男だけ。


「珍しいですね。国木田さんが1人で来るなんて。
それもこんな時間に。」


唯一の客である国木田さんは
私の言葉を無視してコーヒーを啜る。

それが面白くなくて


「あ、もしかしてクビになったとか?」


と、からかってみた。

すると眉間に皺が寄った。


「そんなわけないだろう。」


「ふーん…じゃあ、
太宰さん達に仲間はずれにされたんですか?」


「口を動かさずに手を動かせ。
さっきから仕事が進んでいないように見えるが?」


「国木田さんだってサボりでしょ?」


「誰がサボりだ!息抜きだ息抜き!」


「秒単位で予定組んでる国木田さんが息抜きですか?
なんか矛盾してません?」


「息抜きも予定の内だ。」


「うぇ、なにそれ。気持ち悪っ…」


「なんっ…?!」


そうこの感じ。
これがいつもの私と国木田さん。

国木田さんがここに来るたびに
なんだかんだと言い合いをする。
側から見ればくだらないケンカだけど、
私はこの時間が好き。

国木田さんが好きー・・

どんなことでも
国木田さんと話せるのが嬉しいの。

だけど、私の思いはきっと届かない。
なぜなら国木田さんには、"理想の女性像"というものがあるから。





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