短いの

□左腕
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突然 欲しくなった 左腕
もはや 無くても 生きていけると
思っているのだが
なぜだか どうしても
欲しい と 聞こえるのだ


どうしてか と心に問えば
欲しいからさ と心は返す

どうしてもか とまた問えば
どうしてもだ と返ってくる

有ればどうするのか と聞けば
有れば使うだけさ と答える

何に使うのか と重ねれば
それは自分の心に聞きな と心の内が答えるのだ

堪らなくなって
どうやって得るのか と言えば
自分の心は知っている とだけ聞こえた


それきり 心の内は 何もざわめかず
何を言っても 声一つ 聞かさない
けれど 頭の内に 左腕の二文字が居座り
自分の目には 左腕が動いている

使えない腕は もはや無くても 生きていけると
自分は 思っているのだが

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