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□SILENT NIGHT
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 窓ガラスに手を当てるとガラスの冷たさに冷えていく手を包み込まれて、そこから博之の温もりが伝わってくる。

「そうだね…俺も大ちゃんにいっぱい貰ってるよ。」

 腕の中の温もりも、その中にある心も…。

「うん…」

 形のあるプレゼントよりも、形のないモノこそがお互いに一番欲しいモノだから。

…それは愛する気持ちだとか、互いを信じる心とか、二人で居られる時間だとか、挙げていけば切りがないけれど、それはどんなに高価な物なんかより互いの心の在処を教えてくれる。

 だからプレゼントなんかなくていい。
 冷たくなった手を包み込んでくれている博之の手を引き寄せて、
『優しくて暖かい手が大好きだよ』って指先にキスを贈ると、すぐに耳元にキスを返される…。

チクッと軽い痛みが走って身体が小さく震える。

「ヒロ!!」

 きっと髪に隠れて見えないだろうけど、目敏いアベちゃんには気付かれるだろうな…

 そんなことを頭の片隅で思っているとギュッと強く抱き締められた。

「ゴメン…ライブあるのにね…」

 カウントダウンライブ…それが終わればまた逢えない日々が続くのかも知れない。

 同じ業界で仕事をしていて、ましてやユニットまで組んでいるのにも関わらず、二人がゆっくり逢えるのは数える程しかない。
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