access HIRO×DAI小説
□SILENT NIGHT
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別にクリスマスなんて特別な日じゃない…
街はクリスマス一色で一層華やいで見えるけど、二人にとってはどうでもいいこと。
世の中の恋人達がクリスマスは特別と言うけれど、クリスマスなんてただの口実にしか過ぎない。
『クリスマスだし』とか『クリスマスだから』だとか、そんな一般のイベント的なクリスマスよりも、愛する人に逢える日こそが二人にとって特別な日。
一年のほとんどを一緒に過ごしていた頃は『もうすぐクリスマスだね』って『今年はどうする?』なんてクリスマスを楽しんでいた時も有った。
でも別々の活動が多い今となっては、愛する人と過ごせる時間が一番大切で特別な日。
だからケーキもシャンパンもプレゼントも必要ない。
ただ街の色がクリスマスカラーなだけ…。
〜SILENT NIGHT〜
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「ねぇ、大ちゃん…本当にいいの?」
照明を落とした室内に街のイルミネーションの光が二人のシルエットを形どる。
「んッ?」
窓に映る博之を見つめる。
「プレゼントなくても…」
窓辺に立って街のイルミネーションを見つめる愛しい恋人を背後から抱きしめた。
「いいよ…僕だって用意出来なかったし、それに物を貰えばいいって訳じゃないでしょ?」
「それはそうだけどさぁ、気分的にね…」
腕の中の大介の柔らかな髪に頬を寄せて、窓に映る姿を見つめる。
窓の外は色とりどりの光が輝き街を飾る。
まるで街中が大きな宝石箱になったように…。
「そうかな?僕は沢山貰ってるけどな…」
背中に感じる温かさも、僕の事を想ってくれる気持ちも…。
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