神様の手違いで異世界転生する羽目になる系夢小説ってあるじゃないですか
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例えばの話、学校の帰り道事故に巻き込まれ、死ぬ間際に「どうせ死ぬならあの漫画の世界に行ってみたかった」なんて考えながら意識が遠のき、目が覚めると見知らぬ空間に居て、なんだかやたらチャラい神様に「間違えて殺しちゃった☆」なんて言われて、お詫びに好きな世界に転生させるね、なんて言われちゃって、それならとお願いしたら案の定大好きな漫画の世界に飛ばされてて、そこで出会った初対面の「跡部、じゃん」はずのキャラクターの名前を口に出してしまって、なんで名前知ってんだ「……お前、今どこから降ってきた?」面白い奴だ、とかなんとか言われて何故か気に入られちゃう、っていう夢小説良くありますよね
まさかそんな非現実的な事が我が身に降りかかるだなんて誰が思っただろう
「おい、聞いてんのか?」
非現実的なう
おい待てここどこだ、私本当に生きてんの?
例の如くチャラめの神様が間違えて私を殺してしまった、ので、蘇生と引き換えに今までの人生は手放して新しく人生を始めてくれ、と
いやいやいやアナタのミスでしょうがふざけないでくださいよ
そして今居るこの場所から私の第二の人生が始まるらしいけど全くもって見知らぬ景色、まぁ当然なんだけど
だけど目の前に居る人物は初対面なはずで、声を聞くのも初めてなはずなのに、なんだかどこかで見た事ある顔で聞いた事ある声で
「おい、聞いてんのかって言ってんだ返事くらい出来ねぇのか?」
「……本当に生きてるんだ」
「は?大丈夫か?と言うかお前、俺の名前」
そうだった私さっきこの人の名前呼んじゃったんだ、跡部様、なんだよね?なんだかちょっとイメージと違うような、いや本当見た事ないから実物はこうなのかもしれないか
「すいませんお聞きしますけど、ここ、どこですか」
「どこって、中庭だろ」
「中庭……」
だからどこの中庭だよ!いや私の聞き方が悪かったなこれじゃただの迷子だ
「いやそうじゃなくて、えーと」
「なぁ、その制服うちのじゃねぇよな、どこかで見た事あるな」
制服、え?いや私事故に遭う直前まで買い物してたから普通の服、着てねぇやなんだこの制服
「まぁ良い、とりあえず部外者がこんな所に座り込んでるのもまずいだろ、着いてきな」
「ぅえ、ちょっ、痛いんですけど!」
あ、部外者って言い方ちょっと悲しいな部外者だけど
私この後どうなるんだろう、だなんてなんだか他人事のように引かれた腕をぼんやりと見つめた
跡部様手おっきいな
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