神様の手違いで異世界転生する羽目になる系夢小説ってあるじゃないですか
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「テニス部のマネージャー、やってくれるかな」
これは、アレだ、どう抗っても、何としてでもマネージャーにさせるっていう夢小説お決まりパターン
このトリップ夢小説の主人公という立場になってみて良く分かったけど、見ず知らずの先輩男子が突然現れた転校生にマネージャー頼むなんて普通に考えたら有り得ない展開な訳だけど、そりゃ断りたくもなるわ
だって怖いもん、幸村先輩
「お断りします」
「だろうと思ったよ」
「それでは私はこれで」
「また誘うから、考えておいて」
いやいや本当に怖いわ幸村先輩!なにあの笑顔!お顔の横で手を振っていらっしゃる!めっちゃ格好いい!
いやそうじゃなくて、まだこの学校の事も良く分かってないのにいきなりマネージャーなんて出来るかというんだ、そもそも前の世界じゃ私の帰宅部だったし
VIP席から食堂のホールに出るともう昼休みも終わり頃で、人は殆ど居なくなっていた
さて、午後の授業もしっかり聞いておかないと、折角トリップしてきたんだから勉強くらいはみんなに追い付けて無いとこの先青春もクソもなくなってしまう
「なぁお前さん」
「……、え、私?」
「そうじゃ、今奥の席から出てきたじゃろ」
「あ、えと、あなたは…?」
そんな事聞かなくたってこの声と髪色で分かっちゃうんだけど、一応知らないふりしておかないといけないんだけど、この人は、まさか
「お前さん例の転校生じゃろ?跡部から聞いとるぜよ」
「聞いてる、って、何を」
「可愛がってやれ、ってな」
な、なんだこの人!めっちゃいい匂いする!
いやそうじゃなくて、近いぞ!顔が!
後から話しかけてきたのはコート上のペテン師、なぜ今わざわざ耳元で言ったのか、近い、そしていい匂いがする
「あ、あの、し、失礼します!」
「あーあー、ちよい待ちんしゃい」
「……何ですか」
「名前、聞かんくてもええんか?」
いや自分から名乗れよ!
けどここは聞いておかないといけない流れだよね、一応テニス部のみなさんにはこれからお世話になるわけだし、マネージャーはやらないけど
「……えと、お名前は」
「内緒」
なんっじゃそりゃ!ご馳走様です!
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