神様の手違いで異世界転生する羽目になる系夢小説ってあるじゃないですか

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案の定大きい道に出ると黒くてピカピカでいかにも高級ですって顔したリムジンが停まっていて、跡部さんが近付くと当たり前のようにドアが勝手に空いて当然のように乗り込んだ


「…………」
「おい、どうした?早く乗れ」
「ゆ、夢にまで見たリムジン…」
「いくらでも乗せてやるから早くしろ」


ふっ、とからかうように笑いながら手を差し出して私をシートまで誘導してくれた跡部さんはどこからどう見ても王子様でしかなくて、いや何方かと言えば王様なんだけど、ちくしょう不覚にもときめいただろ、私跡部様推しじゃないのに


「跡部さん、私を迎えにわざわざ神奈川まで来たんですか」
「あぁ、いや丁度こっちに用事があったからついでだ」
「あっ、そうですよね自惚れてました」


そうだよ跡部財閥の御曹司がどこぞの馬の骨とも分からん小娘のためにわざわざ車で乗り付けて来るわけないんだよな

特売のトイレットペーパーが申し訳なさそうに少し揺れるとリムジンが出発した

そういえばこの世界に来て所謂主要キャラにはまだ三人しか出会ってないな

これからこの世界で暮らしていくわけだしトリップ物夢小説の主人公ポジションなんだからやっぱり色んなキャラと触れ合うんだろうけど、この調子だと全キャラに出会うなんて無謀なんじゃないのか…?


「なぁ、前の世界ってのはこことは違ったのか?」
「いや、私の居た世界にも東京も神奈川もありましたよ、ただ氷帝学園や立海とか、なんて言えば良いかな、あなた方は漫画のキャラクターなんですよね」
「……なんだと?」
「え?」


え?私なんか不味いこと言った?跡部様眉間シワシワなんだけど、え、どうしよ車から振り落とされちゃうかな


「て事は、みょうじは俺たちの事知ってる訳か」
「んー、まぁ、今現在の高校生になった皆さんは初めて出会いましたけど」
「それどういう意味だ」
「え、えーと、私が知ってるのは中学時代の皆さんで、つまりそういう事なんですけど」


語彙力!語彙力が来い!跡部様めちゃめちゃ困ってるじゃん!

そんなに知られたくない事でもあったかな、まぁ坊主になったのなんて黒歴史だろうけど


「なかなか興味深いじゃねぇの、アーン?」
「っ、」


生「アーン?」頂きました!!

いやしかし跡部様ほんとカッコイイな、脚長いし、なんかいい匂いするし、リムジン似合いすぎるでしょ


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