散歩ついでに世界の果てまで

□酔っ払い
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「たぁ〜っだいまぁ〜」
「おかえうわっ、くっさ名前さん結構飲んだでしょ」
「ん〜ふふふぜーんぜん飲んでないよ〜」
「……何杯飲んだの」
「へへへ、8杯〜んふふ」


高校の同級会に行ってくると夕方嬉しそうに出かけたこの酔っ払いは帰ってくるなり俺に抱きついてきてニコニコしながら一生懸命パンプスを脱いでいる
まぁ脱げてないんだけども

脱がせてやるとありがと〜なんて頬にキスしてきたからこれは相当飲んだな、8杯だもんな

家でも外でもあまり飲まない人だからよっぽど同級会楽しかったんだろうけど、この人は酒が入ると無防備になる


「名前さん楽しかった?」
「うん、久しぶりにみんなに会ったからねぇ、すっごい楽しかったしねぇ、デザートがね、美味しかったの」
「良かったね、さ、ベッド行こうか」
「えぇー!お風呂ー!」
「今お風呂入ったら危ないだろ、ダメダメ」
「やだー!精市くんとお風呂入りたい」
「えっ、えっ俺と?っいやダメだ明日の朝にしよう」


なんだこの可愛い生き物
こんな状態の名前さん滅多に見られないぞ

正直言ってこのいつもより甘えてくる名前さんは貴重だから是非とも色々してやりたいけど明日起きたら絶対怒られる、いやそれも良いな


「今日ねぇ、嶋田くんに久しぶりに会ったんだけどね、私ワイン飲めないのに飲ませてきてさぁ、でも白ワイン意外と美味しかったなぁ」
「名前さん何、ワイン飲まされたの?苦手だったよね」
「ん〜でも美味しいから飲んでみなって言われたからさぁ、嶋田くんってこの人ね」
「……ふぅん、良く覚えておくよ」
「あと孝宏くんが今度ごはん行こうって」


は、え?今この人何て言った?ごはん?男と?俺が居るのに?

スマホで撮った写真を見せながら爆弾発言してきたこの人はきっと明日には覚えていないはずだしここリビングだからまだ脱がないで名前さん!

しかしきっとちゃっかり連絡先も交換しているだろうその孝宏くんに自分には彼氏が居るって言ってないんだろうか


「でもね、私精市くん以外の男の人とは出かけたくないからね、大好きなひとが居るからごめんねって言ったの」
「あ、あぁ、それなら良いか」
「でもそういえば私精市くんと付き合ってるの誰にも言ってなかったからね、みんなが精市くんに会いたいっ言ってた」
「え、えぇー…、それで名前さん何て言ったの?」
「ん〜、ふふ、精市くんは私だけの精市くんだからダメって」
「……名前さん好きだよ」
「ん?私も、精市くん大好き」


寝室に着くなり俺もろともベッドに倒れ込みニコニコしたまま眠りについた名前さんに、明日の朝はハイビスカスティーを淹れてあげよう


(うぅ、頭痛い…)
(おはよう名前さん)
(……精市くんご機嫌だね)
(ふふ、まぁね、朝ごはん出来てるよ)

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