魔法界の猫

□2話、夢、組分け
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『ではお父様、お母様。行って参ります』

「気を付けてね」

「名字家の名に恥じぬようにな」

『はい。お父様』


名前は今、キングズ・クロス駅9と3/4番線に来ていた

挨拶を済ませた名前が汽車に乗ると、2人は姿くらましをして消えた


ペットである梟、ノワールと荷物をコンパートメントに入れ、カーテンをしめ鍵をかけ、人避け呪文をかける

ノワールを籠から出して腕にとまらせる
ウサギフクロウであるノワールは、羽角が長いのが特徴の梟だ
可愛らしい見た目だが神経質で、特にノワールは名前以外には滅多になつかなかった

魔法で止まり木を出してやれば、ノワールは渋々そちらに移る


出発まで大分時間があるので、独り占めしたコンパートメントで名前は眠りについた






『ん…』

外がガヤガヤとしてきて目が覚めた名前

防音呪文をかけ忘れた自分に少し腹を立てながら起き上がり時間を見れば、出発30分前程だった

起きたことに気がついたノワールが、かまえとばかりに羽を広げる


『…10分だけだよ』


バサッ


ノワールを連れコンパートメントから出て、誰も入れないよう鍵をかける

汽車から出れば、ホームは人でごった返していた


バサバサッ

ノワールは空高く羽ばたき、空の散歩を楽しむ
ふと汽車を振り返ると、中にドラコがいた
ドラコも名前を見つけたようで、コンパートメントの窓を開けて話しかけてくる


「名前じゃないか」

『ドラコ。久しぶり』

「ああ、久しぶりだな。見かけなかったからどうしたのかと思ったよ」

『ちょっとね。ドラコはいつ着いたの?』

「ほんの10分前かな」


ドラコと少し話していると、丁度10分でノワールが帰って来た


「おや、ノワールじゃないか」

『急かされたから散歩にね。これからホグワーツに着くまで窮屈な思いをするし』

「ホグワーツか…フン、どんなところか楽しみだな」

『ああ、胸が踊るわね…まあ、グリフィンドールでなければ良いけど』

「君がグリフィンドール??
有り得ないね。余計な心配はしない方がいい」

『それはドラコにも言えるわ』

「勿論さ。あんな寮に入れられたら、父上がなんとおっしゃるか…想像するだけで恐ろしいよ」


そうこう話しているうちに、汽車の出発を告げる笛がなった


「じゃあ名前、またあとでコンパートメントに行くよ」

『ふふ…見つけられたらね』


汽車の通路を通って消えていく後ろ姿を見て、ドラコは首をかしげる


「?
どういう意味だ…?」
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