魔法界の猫
□3話、授業、遭遇
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翌朝、名前は朝食をとるために大広間へ来ていた
隣には綺麗に髪をセットしたドラコが座っているが、二人の周りには誰も居なかった
低血圧の名前が、不機嫌丸出しだったからだ
『…』
「おい、名前。林檎ばっかり食べないでご飯を食べろ」
『ドラコ…元気ね…』
ドラコがよそってくれたソーセージやスクランブルエッグを見ながら、諦めたかのように食事を始める
「相変わらず、朝は苦手なんだな」
『そうね…いつもはまだ良いのだけれど…。でも、明日からはもう少し頑張るわ。示しがつかないもの』
「ああ…まあ、無理はしない方がいい」
『ふふ、ありがとうドラコ』
先に朝食を終えた名前は、わかる範囲内で校内を軽く散歩していた
『あ』
ふと前方にはフィルチの猫…ミセス・ノリスがいる
『ミセス・ノリス』
名前を呼ぶと名前の方を見てじっとしている
名前は懐から猫の餌を取り出した
にゃー
足元にすり寄ってきたミセス・ノリスを撫でて餌をやる
ぱくぱくと食べる姿が、なんとも愛くるしい
にゃあ
餌を貰って撫でられて、随分と機嫌が良さそうだ
『ふふ、可愛い。また食べ物を持ってくるね』
このまま此処にいたいがそうもいかず、ミセス・ノリスをもう一撫でしてから大広間に戻る
最初は道に迷うので、ドラコと一緒に教室を移動することにした為だ
「やあ、丁度良かった。今終わったところさ」
『それは良かった』
2人は荷物を持って教室へ向かった