魔法界の猫
□9話、試験、対面
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ハーマイオニーにフラメルの事を教えたあと、ようやくあの3人は図書館に立ち入らなくなった。
クィディッチの試合が近いことも理由の一つだろう。そしてその試合では、スネイプが審判を名乗り出たらしい。
通常であれば、飛行訓練の授業を受けもっているマダム・フーチが審判をする為、これは異例なことなのだが、名前は全く興味がわかなかった。
結局、その日も名前は観戦に行かず、少し早めに学年末試験にむけ、一人部屋で勉強をして過ごした。
試合ではハリー・ポッターが5分も経たずにスニッチを捕まえたらしく、学校中の人気者になっていたのだが、後日見かけたハリー達は浮かない顔をしていた。
『?』
不思議に思いつつも図書室で勉強をしていると、困った事にハリー達も試験に向けての勉強を図書館で始めてしまった。
見つかれば面倒に巻き込まれるのは目に見えている。
仕方なく談話室に場所を移し、セオドールと一緒に復習をすることにした。
ある日、名前が一人でソファーで教科書を見返していると、隣に座ったドラコが小声で話しはじめる。
「名前、ここだけの話なんだが…」
数日前に廊下でハリー達の話し声が聞こえて様子を伺っていたところ、
ハグリッドがドラゴンの卵を持っているという内容だったらしい。
そして確かめる為にハグリッドの小屋へ向かったドラコが目撃したのは、卵から孵ったドラゴンだった
ドラゴンの飼育は違法。
ハグリッドが気にくわないドラコにとって、学校から追い出す為のいい口実になるだろう。
ドラゴンの存在を知っていたハリー達も無関係とは言えない。
なにか証拠になる物が無いかと考えていたらしい。
「そして今日、ついに手に入れた」
悪い笑みを浮かべたドラコの手には、ロンとロンの兄弟のチャーリーとの手紙があった。
医務室にいるロンが持っていた本に挟まっていたらしい。
その手紙には、ハグリッドのドラゴンを、ドラゴンを研究しているチャーリーの元へと送る計画が記されていた。
「土曜日の真夜中だ…
今度こそ、アイツらを退学にさせてやる!」
勝ち誇ったように、ドラコは手紙をグシャッと握った。