短い呪文

□レポート
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「ポッター!!」

「やあリリー!今日も可愛いね!一体どうしたんだい?」


グリフィンドール寮でリリー・エバンズの怒鳴り声が響く
その声に反応してジェームズはソファーから離れ、リリーに近寄る

最早恒例行事となったそれは、他のグリフィンドール生にまたか…と言う目をさせた


「近い離れて」

リリーに身を寄せていると、ワントーン低い声で制される


「はあ…、どうしたもこうしたもないわ!貴方またセブルスに悪戯したんですってね!
レイブンクローの子に聞いたわ!

彼に構わないでって言ってるじゃない!」

「怒ってるリリーも素敵だよ」
「話をそらさないで!」



ジェームズとリリーが言い合い(?)をしている横で、シリウス達はレポートを完成させる


「あきねぇな、エバンズの奴」

『いや、あんた達でしょ。そっくりそのまま返すわ』

「なんだよ、お前もスニベルスの味方か?」


むっ、とした顔でシリウスは睨む


『別に味方とかしゃなくて。
ただ、スネイプが何かした訳でもないのに、毎回毎回彼にちょっかいを出すあんた達はしつこいと思うわ』

「だから、それが味方してるって言うんだよ!」


バァンッとテーブルを叩き、抗議するシリウス
その顔は怒りを露にし、眉間にシワをよせきっている

そんな姿でも絵になるのだから、彼の顔面偏差値は大したものだ

しかしそれも何時もの事で、音に驚きはするが、周りは特に気にしていない


が、


『ああー!!』


何時もはお菓子を食べたり本を読んだりしている名前が、今日は違った
レポートをかいていたのだ
羽根ペンのインクが倒れ羊皮紙に染み渡っていく


『何してくれんのよ!!アンタのせいでレポートがパーになったじゃない!!』

「なっ、お、お前がスニベルスの味方するからだろ?!」


大きな声を出した名前に驚きつつも、負けじと言い返すシリウス

名前も何時もならシリウスの性格を理解し諦めるのだが、今回はそうもいかなかった


『だから、私が、いつ、味方したって?!勝手な事言わないで!』


ギャーギャーと言い争ううちに、ジェームズやリリーも何事だ、と近づいてくる
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