禁断の書(NOVEL)
□横顔【170917完結】
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魔物が攻めてきたという伝達に砦の男達は武器を手に外壁の外に集まった。
一人の若い兵士がイレブンを俺の隣に立てと誘導した。
16才のまだ幼さも垣間見える少年が勇者だと言われても信じられないのだろう。
試してるな。
思ったが俺も特に否定もせずそのままイレブンが横に立つのを見ていた。
身体に合わない大剣を背負い彼はまっすぐに魔物がくる方角を見ていた。
さらりとしたストレートヘアが風になびく。
凛とした横顔は数々の戦いをくぐり抜けてきたとは思えないほど綺麗だった。
「綺麗…?」
何を考えているんだと俺は軽く頭を振った。
見ていることに気づいたのか前を向いたままイレブンが俺だけに聞こえるように言った。
「オレがやられれば良いと思っているでしょう?」
自虐的な響きすら感じられる。
「残念ですが、オレ、強いです」
デルカダールではじめて会った時よりも確かに確実にその瞳には強い光が宿っている。
「え?」
「来た!」