禁断の書(NOVEL)

□横顔【170917完結】
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魔物の群れが現れた。
兵士たちも村人も必死に応戦する。
その中でイレブンはすべて一撃で魔物を倒していく。
「どいて下さい!」
傷付いた兵士を庇いながら次から次へと魔物をなぎ払う。
「つえ…」
俺の近くにいた村人が呟いた。
「あれが、勇者…」
気持ち良いほどの完勝ぶりについ見とれてしまい、自分の立場を忘れるところだった。
「いや、援護だ!」
「は、はい」

イレブンの活躍により魔物はすべて退散した。
男達はいつもより被害が少なかったと喜びあい砦に戻る。
イレブンをみると魔物が逃げ去った空を暫く眺めるとため息をつき、
「く…」
苦しそうに息を吐くと片膝を付いた。
「!イレブン…」
肩を支え回復呪文を唱える。
「ベホイマ!」
大量の魔物を相手にしたから少しずつでもダメージを与えられたらHPが削られるのも当たり前か。
「…別に、頼んでません」
回復系の呪文位持ってます。
肩を支えていた俺の手を払いイレブンは立ち上がった。
「それに助けるなら戦闘中でしょう?」

やっぱりやられれば良いと思ってたでしょう?
英雄は一人で充分ですから。

イレブンは苦笑いを浮かべ俺を見た。
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