*DQ8 short dream*
□空中デート
2ページ/5ページ
「綺麗だね。僕は色がある方が好きかな」
つられて名無しも空を見ると、この空気を確かめるように深呼吸をした。
『綺麗なものを見ると、こんな世の中でも、素晴らしい世界にいるんだなって思えるね』
エイトは、愛しむような眼差しの彼女の横顔に見惚れて、高鳴る鼓動を抑えるべくそっと視線を外した。
「名無しみたいに綺麗な子がいるから…」
『ん?何?』
「いや、何でもない」
名無しみたいに見た目も心も綺麗な子がいるから、僕もそう思う、なんて、超絶かっこ悪いことを考えて慌てて立ち上がった。
「ねぇ、少し抜け出そうか」
『え?』
「せっかくだから少し散歩しよう、眠くないならだけど」
名無しは神鳥の魂を取り出すエイトを見て、目を輝かせた。
『空の散歩?』
「そんなところ」
『行く!』