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□Vive le Roi
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翌日、準備役の疲れと無防備過ぎる龍姫への苛立ちを抱えて、若干不機嫌な朝を迎えた。

あろうことか昨日のドレスを着て現れた龍姫に、「もう今日は一日中説教するしかない」と覚悟を決めたが、龍姫はこのドレスの説明をすると言う。

さらに、場所は外がいいと言いはる龍姫に、「少しは私の気持ちも思いやってくれ」と頭を抱えたくなったが、とりあえず私の館の裏庭から続く石山に入った。

ここなら他の奴は来ない。

……君は私のことなら何でも先回りして考えてくれるくせに、何故私の嫉妬心にだけは鈍感なんだろう。



「この指輪は魔法がかかっています」



龍姫が見せた指輪は、薄い黄緑色の石をはめ込まれてはいたが普通の指輪に見えた。

台座は白金に輝いている。



「魔法の力で必要な時に武器と防具を出せます」



龍姫が指輪をはめた右手を振り上げた。

同時に指輪から石と同じ色の眩い輝きが起こり、私は視界を手で塞いだ。

光は一瞬で消え、私が見たものは……。



石と同じ色の輝きを放つ、緩やかな大刃。

それを支える漆黒の柄。

身長以上もあるその武器を両手で持つ龍姫。



その武器は……両手持ちの大鎌。



そして、いつの間にか龍姫が纏っていた防具。



腕や脚にはその白い肌を隠す漆黒の防具。

所々に指輪と同じ白金の装飾と縁取り。

身体にも必要な部分には防具を纏っていたがそれも同じ色と装飾があった。

元々の漆黒のドレスに溶け込むようにその防具は馴染んでいる。



「ヴァーリ様とお揃いにしちゃいました」



「お揃い?」



嬉しそうに微笑みながら龍姫は言った。



「ヴァーリ様のコートは白に金なので、私は逆に黒に白金にしたんです」



言われてみれば、白金の装飾は、私の服の装飾と同じだ。



だが、龍姫。



ドレスの上に違和感の無い防具は必要最小限のようだが、その凶悪な色使いと大鎌のせいで、君は恐ろしく強く見えるぞ。

見た目だけなら確実に私より強そうなんだが、その姿で私の隣に立つつもりか?

お揃いとはいえ私の矜持をどうしてくれる。



そんな私の気持ちを知ってか知らずか、龍姫はさらに微笑んだ。



「ヴァーリ様のも有るんです」



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