short2

□impedance
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身体が重い。

動かしたいと思っても、自分の身体なのに自由にならない。

操ろうとした指は震えて。

ほんの僅か抗っただけで力を失い重力に引きずられた。



重い。

手も脚も身体のすべてが。



せめて瞳だけでもと押し上げようとした目蓋はその瞬間に白と黒の点滅を繰り返した。

必死で手で覆う……つもりなのに、やっと目蓋に触れた手はそれだけで力を使い果たしてずるずると落ちていった。



ひきつけを起こしたような呼吸だけが勝手に私を動かす。

そのたびにぐらぐらと揺れるような頭が考えることさえ放棄しかける。



胎内を抉るかのようなあの楔は今はもう抜かれているのに、まだそれがそこに在るかのような感覚に襲われ、全身が震えた。



私の身体はなにひとつ私の意思に応えてくれない。

その意思さえも思い通りにはならないのだけれど。



重い……身体は沈みこんでゆく。

もう意識をつなぎ止めることさえ……出来ない。









「気を失ったか」



……すべてを捧げ尽くして己に抱かれた龍姫を、ヴァーリは満足気に見守っていた。










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