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□Vive le Roi
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「マーリン様は明るくて華やかな色がお好きなので、私の好きな落ち着いた色にしていただくのが大変だったんです」



確かに落ち着いた色ではある。

君の白い肌にその漆黒は良く映える。



「それにマーリン様は華美なデザインのドレスがお好みなので、それを許していただいてシンプルにするのも大変で」



ほう。

その結果が、胸元も肩も丸出しのそのドレスとやらか。

肩にかかる僅かな部分と胸のふくらみでやっと引っかかっているようなそれだ、と。



「このスリットも、動きやすくて短剣を隠しておいて取り出しやすくするために、いろいろ工夫して」



まあ、それだけ身体に密着していれば動きにくくは無いだろう。

裾は長いようだが前で脚の付け根近くまで裂けているそのスリットとやらで動きやすいだろう。

歩くたびに脚は丸出しになるだろうがな。



……ん?



「短剣だと?」



「はい、いつも携帯している短剣をこうして太股にベルトで付けているので、スリットを捲れば……」



そう言って、ただでさえチラチラとしていた太股を露わにして見せた。

……ああ。

確かにそこに短剣があるのは解った。

解ったが、だ!



「君は、短剣が必要になるたびにこの脚を誰かに見せるつもりなのか」



龍姫の太股を撫であげた。

羞恥に染まる頬。

やっと解ったのか?

いまさらか?



「あーっ!
兄貴が龍姫襲ってるよ!
ナニその、やーらしい触わりかた。
時と場所、考えてよ、フキンシンだなー。
ねえ、オレ、蹴っていい? 兄貴」



いつの間にか現れたヴィーザルが踵を振り上げた。



「誤解だ! 待て、ヴィーザル!
龍姫、君との話は明日ゆっくりする。
いいな!」



……龍姫を帰らせて、ヴィーザルには準備の手伝いをさせた。

まだ宴は始まってもいないのに疲れきった気がするのは、気のせいだろうか?

いや、気のせいじゃない!



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