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□聖夜の贈り物
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「あの……ヴァーリ様……ナビィが新しい神装備を用意してくれたんですけど……」
何故か言いにくそうな龍姫。
しかも、龍姫の後ろには、目を輝かせたトゥーリッキ様と顔を逸らしたニューリッキ様がいる。
「ほう?
ナビィも気が利いているな。
見せてみたまえ」
龍姫が恐る恐る差し出した物体をたっぷり1分凝視した後でヴァーリ様が言った。
「これは……トナカイの角のように見えるが?」
ヴァーリ様のアイスブルーの瞳が凍ったように温度を下げたのに気付いたのは、龍姫とニューリッキ様だけのようだ。
「トナカイしゃんはとっても強いのですぅ〜。
トゥーリッキ、ヴァーリしゃんがトナカイしゃんみたいに強くなるようにお手伝いに来ましたぁ!
ニューリッキたんのお洋服もいつもトゥーリッキが着せてあげてるので、安心して任せて下さいねぇ〜♪ ルンルン♪」
トゥーリッキ様は嬉しそうにヴァーリ様に『神装備・トナカイヘッド』を装着させると、さらに、問答無用でトナカイの赤いお鼻やトナカイの手袋等を次々にヴァーリ様の身に着けていく。
「龍姫、そんな目をして何を見ている?
君のために着けたというのに」
その声音はどう聞いても『0点だ』としか聞こえなかったが、自信満々でとても嬉しそうなトゥーリッキ様と『ヴァーリさん、アンタ騙されてるよ』と呟き続けていたニューリッキ様のためにも、龍姫は笑顔を浮かべるしかなかった。
→おまけ