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□COUNTDOWN
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「まだ寝ていたのか。
私は最初に言ったはずだな?
時間厳守、だらしない服装は禁止だと」



【COUNTDOWN 10】



えっ……と。

すみません、状況がわからないんですが。

眠っていたところをいきなり頬をぽんぽんと叩かれて……。

あれ? 私、起こされた、の?

えっ? ヴァーリ様!?



【COUNTDOWN 9】



「ちょっと、ちょっと、待ってよ! ヴァーリ!
ボクら、龍姫の執事なんだから。
優しく起こしてあげて、って言ったでしょ?」



「だから優しく起こしただろう」



……は? どこが?



絶句したヘイムダル様が頭の中でそう呟いたのが、わかる。

なぜって、私も頭の中でそう呟いたから。



でも、その間もヴァーリ様の行動は止まらなくて……。



【COUNTDOWN 8】



「……って!?
ヴァーリ様、やめて下さいっ!」



剥ぎ取られそうになったブランケットを慌てて掴んで引っ張った。



「何を抵抗している。
執事とは君が起きるのを“お世話する”ものなのだろう?」



い、いえ、自分で出来ますから。

っていうか、それ、お世話じゃなくて……。



「あの、さぁ? ヴァーリ。
それじゃ、お世話じゃなくて婦女暴行だから」



ヘイムダル様、ナイスアシストです。

っていうか、そもそも、この状況は何なんですか?

ヘイムダル様がいつもの執事の扮装をされてるのはわかるんですけど。

……はっ! 待って!?

グッルトップ! グッルトップは居ないわよね? あんな大きい子、部屋に入んないっ!

……って、違う。

そんなこと考えてる場合じゃなくて!

ヘイムダル様はわかるけど、どうしてヴァーリ様がっ!



「君がやれと言ったんだろう! ヘイムダル!」



【COUNTDOWN 7】



……はい?



ヘイムダル様が?

ヴァーリ様に?



「えー? ボクは、さぁ。
たまにはキミも衣装変えして気分転換してみればいいんじゃない? って言っただけでしょ?」



そう。

気分転換になるし面白いからって理由で、時々、ヘイムダル様は執事の格好で私の守護神をして下さる。

理由の大半は“面白いから”のほうなんだろうけれど。

今日もヘイムダル様は執事の格好をされると昨日のうちにうかがって……。

待って、今、何時?

私、寝過ごした!?



「ヘイムダル様、申し訳ありません!
私、お約束の時間に遅れて……」



ヘイムダル様とのお約束の前にヴァーリ様のところにも伺うつもりだったのに……。

え? もしかして、だからヴァーリ様が?



【COUNTDOWN 6】



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