SERVAMP
□バカップル
1ページ/4ページ
「......リヒトが構ってくれないよぉー!!」
ピアノの音が小さく聞こえる中。
スマホをイジっているロウレスの隣で
リヒトの恋人である名無しは、地団太を踏んだ。
初めは適当に応えていたロウレスも
肩を強く揺さぶられて、めんどくさそうにスマホを机の上に置く。
ロウレス「...名無し、リヒたんはピアノの練習してるんスよ?
練習中のリヒたん、集中してて声にすら反応しないんスから...。」
「......分かってるよ......分かってるけど...。」
毎日この会話をしている気がして
ロウレスは、名無しを宥めるのがうまくなっているように思えて仕方がない。
涙目になっている名無しの頭を撫でていると
ロウレス「......お?
...ピアノの音...止まったっスね。」
聞こえていたリヒトのピアノの音が、止まってシンとする。
ピアノの練習が終わったのか。
ロウレスはパッと隣の名無しを見た。
音が止まった途端。
さっきまで「構ってくれない」と騒いでいた名無しまで静かになってしまった。
緊張したような顔で、目を潤ませている。
ロウレス「......リヒたん、練習終わったんじゃないっスか?」
ロウレスが優しく言うと、名無しはビクリと肩を揺らした。
チラリとリヒトの部屋を見た後、ロウレスに視線を向ける。
「......り、リヒトのところ行ってくる!」
ロウレス「...ん、行ってらっしゃい。」
勢いよく立ち上がった名無しに、ロウレスは明るい表情で手を振った。