ハイキュー

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宮家の朝は早い。





「おはよう!!」





そう言って、玄関からなんの躊躇いもなく
リビングに入ってきた名無しに






宮母「...名無し、おはよう。」






と、笑顔で返すのは
名無しの幼馴染の侑、治の母。



幼い頃から家族ぐるみで仲が良かった宮家と瀬川家。

互いの家に、連絡も何も無しで上がることは
今となっては、もはや当たり前となっていた。





「ツムとサム、行く準備できとる?」






宮母「治は出来とるやろうけど...。

......侑は相変わらずやろな。...多分まだ寝とるわ。」




「ほな、起こしてくる。」






同じ高校の、同じバレー部で、同じ時間に家を出る。


名無しが宮家に来て、準備万端な治と寝起きの侑を連れて学校に行くのは
毎日のルーティーンと言ってもよかった。








治「......ん...名無し。......おはよう。」








ニ階にある侑の部屋に行くため、階段を上ると
丁度、治が部屋を出たところだった。






「おはよう、サム!

朝練、行く準備出来とる?」




治「...出来とる。

今出ようと思ってたとこや。」







「......ほんで、ツムは寝とる?」



治「............やろな。」







チラリと侑の部屋を見て
治は、どこか面倒くさそうに階段を下りていった。










階段を下りていく治を見送って
名無しは、ふぅ...と1つ息を吐いた。



そして、侑の部屋のドアを思いっきり開く。







「...ツムー!!!...朝やー!!」







宮家の朝は、早い。



......そして、名無しのこの声で1日が始まるのだと
治はリビングに入りながら、毎朝思う。
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