ハイキュー

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瀬川名無しは考え込んでいた。



目の前の机には、数学の教科書。

隣には、ノートを睨みながら頭に“?”をいくつも浮かべている幼馴染兼彼氏。

床に置いてある、というより落ちている雑誌。
ベッドの上にあるボールは、所々汚れていて、使い込んでいるのが分かる。




来週から、中間テストだ。




監督の黒須が言ったこの言葉に、侑の顔が分かりやすく曇ったのを
マネージャーであり、幼馴染の名無しが見逃す訳が無い。


その日が金曜だったのもあり、名無しはすぐさま『土日バレー禁止勉強計画』を
黒須に提案し、実施することになった。





かと言って、部員はほとんどがそういう心配をする必要がない人ばかりだ。


侑も、普段は直前に詰め込んでセーフ、という勝ち逃げタイプだが
今回はどうにも、それが出来ない単元らしい。



それもあって、名無しは自ら

この土日は、侑の勉強相手として時間を捧げます!!

と、挙手して見せた。












そんな訳で、土曜である本日。


名無しは侑の部屋で、付きっきりで勉強を教えているのだが。



完全にお手上げ...と、ボーっとし始めた侑の隣で
真剣な表情で考え込む名無し。

そんな名無しをチラリと見て
侑は、目の前の数学の問題について考えているのかと納得したが...。









治「...名無しと侑、恋人らしくないわ。」




「..........うん...??」






治「...........そういう雰囲気の2人、見たことない。」






「...それは人前で見せるものと違うやろっ!!」









(......そういう雰囲気ってなんやねん...!!)




目の前の数学......ではなく。



少し前に治に言われた言葉に、考え込み、頭まで抱えていた。
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