ハイキュー
□04
1ページ/5ページ
瀬川名無しは考え込んでいた。
目の前の机には、数学の教科書。
隣には、ノートを睨みながら頭に“?”をいくつも浮かべている幼馴染兼彼氏。
床に置いてある、というより落ちている雑誌。
ベッドの上にあるボールは、所々汚れていて、使い込んでいるのが分かる。
来週から、中間テストだ。
監督の黒須が言ったこの言葉に、侑の顔が分かりやすく曇ったのを
マネージャーであり、幼馴染の名無しが見逃す訳が無い。
その日が金曜だったのもあり、名無しはすぐさま『土日バレー禁止勉強計画』を
黒須に提案し、実施することになった。
かと言って、部員はほとんどがそういう心配をする必要がない人ばかりだ。
侑も、普段は直前に詰め込んでセーフ、という勝ち逃げタイプだが
今回はどうにも、それが出来ない単元らしい。
それもあって、名無しは自ら
この土日は、侑の勉強相手として時間を捧げます!!
と、挙手して見せた。
そんな訳で、土曜である本日。
名無しは侑の部屋で、付きっきりで勉強を教えているのだが。
完全にお手上げ...と、ボーっとし始めた侑の隣で
真剣な表情で考え込む名無し。
そんな名無しをチラリと見て
侑は、目の前の数学の問題について考えているのかと納得したが...。
治「...名無しと侑、恋人らしくないわ。」
「..........うん...??」
治「...........そういう雰囲気の2人、見たことない。」
「...それは人前で見せるものと違うやろっ!!」
(......そういう雰囲気ってなんやねん...!!)
目の前の数学......ではなく。
少し前に治に言われた言葉に、考え込み、頭まで抱えていた。