ハイキュー

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侑「貴重な部活オフや!...しかも土曜!!
おまけに次の日の日曜は、部活午後から!!

..........するしかないやろ!......デート!!!!」







と、部活帰りの道端でハイテンションの侑が言ったのが昨日のこと。




金曜の部活は、学校生活と重なって1番しんどい練習となる。


はじめは疲れのあまりテンションがおかしくなったのかと思ったが
よくよく考えれば、侑はいつもテンションが高い。

それの延長線上だった。





“強豪、稲荷崎”なだけあって、練習はハードだし休みなど滅多にない。

あるとしても、長い遠征帰りや大会後の1日だけ。

テスト期間中も、練習は通常通り行っている。


だから、体育館内の点検といった理由で
休みがある...しかも休日が休みなのは、珍しいことだった。














そして、土曜。


名無しは窓の外を見て、ため息をついた。






「..............運悪いな、ツム。」







どしゃ降り。


ニュースを見たが、1日中“降水確率90%”。




どこに行くかは決めていなかったけど、侑は外に出る気だった。


待ち合わせの...といっても、家が隣だから待ち合わせる場所は名無しの家だが
侑が迎えに来る時間は、約束では11:00.

時間的に、昼食もどこかの店でとる予定だっただろう。




「......これは行かれへんやろ。どう考えても。」




動物並みの行動力がある侑でも、さすがに
どしゃ降りの中、彼女を連れ回すことはしないはず。







名無しは10:50になったのを確認して、ケータイを取り出した。




【どないするん?デート中止?】






侑【今家出た】






「..........は...?」




名無しは外を見る。


どしゃ降りだ、雨は降っている。

間違いない。






間違いなく雨は降っているのに、玄関のドアを開けると
私服の侑がニコニコしながら立っていた。






「......なんでそないに...ニコニコしてん。」










侑「......俺ん家おいでや!」










「...........は...?」
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